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友人

21歳→22歳 に変更しました。

 旅行は呆気なく終わって、私たちの生活は日常に戻る。

けれど、日常といっても、少し違った。

まるで、旅行を機に忙しくなったようで、この半年間、皆と会うことはなかった。

私は相変わらずジュディの仕事場で静かに縫物を続ける日々。

ジンは用心棒を、ジェーンは運送業で毎日いろんな街に行っている。

それにアリッシアも新人だから、必死に仕事に慣れようとしている。

それを寂しいと感じてしまうのは、おかしいのかもしれない。

私は、前の世界ばかり思い出してばかりだというのに。

愛の言葉を囁くなんていう変な文化に到底馴染めるわけがないのだと、前世という免罪符で、この世界から逃げているのに。


そんな私が、この世界で、『寂しい』なんて思うのは、おかしい気がした。



 私が22歳の誕生日を迎えようとしていた頃。

そんな代わり映えのない生活の中で、アリッシアが手紙を送ってきた。


『親愛なるラピスへ

 ラピス!元気ですか?最近全く会えていないので、寂しいです。それで、なかなか会う機会がないので手紙にしましたが、読んで驚いてください。なんと、今度休みをもらえることになりました!もうすぐラピスの誕生日ですよね?良かったら、今度二人で出掛けませんか?美味しいものでも食べに行きましょう。早くラピスに会って癒されたいです。返事待ってます。 親友のアリッシアより』


アリッシアは、相変わらずだった。

素直で、可愛らしい。愛の言葉も相変わらず率直で、私は手紙を読みながら、気恥ずかしさに笑いを漏らしながらも、内心とても嬉しかった。

アリッシアも、寂しいと思ってくれていたことが、私にはとても嬉しかったのだ。

本当は、嬉しいなんて思ってもいけないのかもしれない。

けれど、私もアリッシアに会いたくて仕方なくなった。

アリッシアの手紙に、私は同意する旨を返信した。



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