表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限の世界  作者: 蒼風
終章「太古の時間流れる世界」
235/240

終章三話「持ち受ける存在」(7)


 赤い光を纏ったゴーレムは赤い翼をはためかせて滑るように二人のもとに接近してくる。

 対して刀弥達はゴーレムの迎撃を敢行。リアが風の矢群を飛ばし刀弥がゴーレムへと向かって駆け出していった。

 もつれるようにゴーレムへと向かって飛翔していく矢群。対してゴーレムは紋様の盾を出現。それをもって風の矢群を防ぎきった。

 その間に刀弥は紋様の盾の横を通り抜けゴーレムに接近。間合いに入ると同時にカタナを振り下ろしゴーレムに斬りかかろうとした。

 けれども、ゴーレムは後退する事でその攻撃を回避。さらに左右の手甲の砲撃と赤い翼からの光の雨の二つの武器で刀弥に反撃を掛ける。

 ゴーレムの猛攻の反撃に刀弥は回避しつつの防御で対応しようとするが攻撃が激しすぎる。今まで一種類ずつしでしか使用してこなかった攻撃を二種同時の上にその二つ共が威力、連射の性能を向上させているのだ。数の暴力とも言える猛攻に対応しきれず徐々に追いつめられていった。

 そんな彼に支援が届く。猛攻の雨を吹き飛ばす風の砲撃。おかげで間ができその間に刀弥は体勢を立て直す事に成功した。

 彼を助けたのはもちろんリア。そんな彼女の方にゴーレムは視線を向ける。

 ゴーレムの視線の移動に気が付いた刀弥はその視線を再び自分の方へと戻すためにゴーレムに急接近。刀を左から右へと振り抜き加えて後退対策に斬波も混ぜ込んだ一撃を放った。

 対するゴーレムはここでようやく刀弥に視線を戻して対応。光の剣でその一撃を防ぐ。

 赤い光でできた剣。その威力はこれまでと違いぶつかりあっただけで刀弥が吹き飛ぶほどだ。

 後ろに倒れそうになった姿勢を立て直して着地する刀弥。そこへゴーレムが追撃を掛けてきた。

 怒涛の連続攻撃。一撃を逸し返す刃で襲ってきた二撃目を躱し続く三撃目を身を回して対処するが、その速度に対応が追いつかない。

 そうして来る四撃目。繰り出される突きに反応はするも体が追いつかない。

 そのまま赤い刃をその身に受け――ようとした所でリアの援護がきた。

 彼女の支援は風の矢一つ。だが、それ故に繊細に軌道をイメージして飛ばすことができる。

 風の矢は光の剣を伸ばした上へと着弾。おかげで剣の軌道が変わり刀弥は四撃目を回避することができた。

 そのまま刀弥はゴーレムを蹴り距離を開ける。その際に接近させないように斬波も放っておく。

 斬波を放たれた事ですぐさま距離を詰めることができなくなったゴーレムは一旦停止。斬波を防ぎ、そうしてから再び追撃を始める。

 一方の刀弥も既に着地しておりゴーレムの接近に合わせて迎撃の構えをとりはじめた。

 そうして両者は剣の間合いに入ると同時に動き出す。

 ゴーレムは既に反対の腕からも光の剣を展開しており、その二刀を同時に振るってきた。対する刀弥は回転からの方向転換で一旦停止し側面へと回り込む。

 ゴーレムの二刀が空を切り結果、その横から刀弥が刀を切り上げる形となった。

 しかし、刀弥の一刀はゴーレムの光の翼によって受け止められてしまう。

 光の翼が発した圧力に吹き飛ばされる刀弥。そこへゴーレムが追撃の砲撃を放とうとした――所でリアの炎砲がゴーレムへと迫った。

 追撃を中断して紋様の障壁で炎砲を防ぐゴーレム。そこに刀弥が斬波を加えるが残念ながらこちらも紋様の障壁で遮られてしまった。

 それでも刀弥はゴーレムへと近づいていくとゴーレムに対して突きを見舞う。

 この攻撃を左への跳躍でゴーレムは回避しようとするが、その軌道上にリアが風の矢を放ちその逃げ道を塞いだ。

 避けることができなくなったゴーレムは刀弥の突きを右腕で受けて逸らす。そうしてから左手甲の砲を刀弥へと向け発射。彼を仕留めようとした。

 しかし、直前にその動きに気付いた刀弥は刀を手放し、刀とは反対側へと跳躍。そうやって砲を回避するとゴーレムに向けて左拳を突き出す。

 その攻撃に対してゴーレムは拳を受け止める事を選択。右腕一つで彼の拳を掴むと反対側の腕の砲を再び彼へと向けようとする。

 と、そこへ何かがゴーレムの眼前を通り過ぎていった。

 何かの正体は先程刀弥が手放した彼の刀。

 飛んできた理由は簡単である。リアが風の矢を放ちそれを放棄した刀へとぶつけて飛ばしたのだ。

 飛んできた刀を刀弥は右手だけでキャッチ。直後、すぐさま彼はその刀をゴーレムへと向けて振り下ろした。

 速攻を意識して振り下ろされた刀は攻撃直前故に動きのとれないゴーレムへと迫っていき、そうして浅くはあるが装甲に傷を作り出す。

 一方のゴーレムもそう判断したが故に攻撃を続行。彼の体に砲身を合わせるとそのまま砲撃を放とうとした。

 手甲の砲身は赤い光を内部に充填させ、それを刀弥に向けて解き放とうとする。

 刀弥は腕を掴まれているので避けられない。砲撃なので刀の防御など何の役にもたたないだろう。

 防御も回避も不可能という絶体絶命の状態。けれども、刀弥の表情に焦りの色はなかった。何故なら、この状況を脱する手段があったからだ。そして、それは刀弥の手によるものではない。

 その時だ。ゴーレムの腕に風の矢がぶつかった。リアが放った風の矢は刀弥の刀を飛ばした分だけではない。別軌道でゴーレムの腕にぶつかるようにも飛ばされていたのだ。

 ぶつかった衝撃でゴーレムの腕が大きく動いてしまう。その直後、砲撃が放たれた。

 放たれた砲撃はしかし、誰もいない空間へと向けて放たれたために誰も捉える事はない。その間に刀弥は刀で振るう。狙うは自身の腕を掴むゴーレムの腕だ。

 刀弥の反撃を察知したゴーレムはすぐさま手を離して斬撃を回避。次の瞬間、その空いた手で刀弥へと砲撃を放とうとした。

 だが、離された同時に距離をとった刀弥は砲撃に気付きそれを躱すと回り込む軌道で再接近。速度を乗せた突きをゴーレムの胴体目掛けて繰り出した。

 繰り出された突きに対してゴーレムは迎撃を選択。砲撃を放ち終えた右腕を光の剣とし、それを刀弥の刀へと振るう。

 光の剣が刀を叩いた。その強い衝撃に刀弥は思わず体勢を崩してしまう。そこに反対の腕を振るおうとするゴーレム。その腕には今まさに光の剣が出現しようとしていた。

 体勢の復帰がまだできない刀弥はただ見ているしかない。しかし、そんな彼のもとにリアの援護が届く。

 ゴーレムに向かって飛翔する風の矢群。狙われたゴーレムは刀弥の反撃を中断して対応するしかない。結局、紋様を出して攻撃を防いだのであった。

 その間に刀弥は崩した体勢を元に戻して再びに攻めに入る。

 再びの突き――をフェイントとした横薙ぎ。しかし、ゴーレムはその動きに反応して光の剣で防御。今度のはさらに威力が強かった。先程以上に距離が開いてしまう。

 それを確認してゴーレムはさらに新たな動きを見せた。

 背中の翼が二枚羽から六枚羽へと増えたのだ。それと共にそれぞれの翼に紋様が出現していく。


「な!? こんなところでそれを使うつもり!!」


 ゴーレムの変化にさらに驚きを見せる女の子。それで二人は事態がさらに厄介になったのだと悟った。


「そこからの退避を。そこは危――」


 さらに警告の声を飛ばそうとする女の子だったが、それよりもゴーレムの攻撃のほうが早かった。

 光の光線に雨あられ。六つの紋様を起点とした赤いの光の線がいくつも出現し(ライン)を描きながら走っていく。

 やがて線はそれぞれ各々の到達点へと辿り着くと――

 直後、次々と強大な爆発を引き起こしていったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拍手もらえたらやっぱり嬉しいです。
ただいま一章で名前だけがでた高峰麗華のショートストーリーを掲載中。01月05日:更新:零話終了
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ