表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限の世界  作者: 蒼風
九章「反撃の連合」
218/240

九章三話「そして拠点へ」(7)

 銃撃を身を低くして躱し一気にレナスの眼前まで迫る刀弥。

 直後、彼は刀を振り上げるが、既にレナスは右へと避けて左の銃剣を刀弥へと向けようとしている。

 銃口の先が自分とあった瞬間、身を撚る刀弥。直後、銃口より風弾が放たれた。

 風弾は彼の傍を掠め、その先にあった計器に穴を作る。

 この間に刀弥は三歩を持って再接近。今度は右から左への一閃を振り抜いた。

 レナスは後ろへと下がる事でこの攻撃を避けようとしたが、それを読んでいた刀弥は攻撃に斬波を混ぜていた。

 後ろに下がっていては逃げられない攻撃にレナスは左右の銃剣で迎撃。斬撃の力を破壊すると同時にその奥にいる刀弥に向けて攻撃を撃ち放った。

 この反撃に刀弥は左前方への跳躍で対応。射撃を回避すると三度目の接近を試み、突きを見舞った。

 捻りを加えた一突き。レナスはこれを軽々と外側、左へとサイドステップする事で躱そうしたが、そこに刀弥が追撃の振りを振るった。刃を相手の方で止めて横振りを掛けたのだ。

 とっさの反応で銃剣をクロスさせこの追撃を防いだレナス。速度優先と整っていない体勢からの攻撃だったせいだろう。攻撃自体は軽かった。

 攻撃を弾き飛ばし銃口を向ける――と見せかけて接近し剣部分を振るうレナス。銃撃が来ると予想していた刀弥は避けきれない。

 鮮血。庇った左腕から舞った血だ。

 その痛みによって顔が苦痛に歪むが動きは止めない。左腕を下げ右手だけで刀を振り上げる。

 それを下がることで間合いの外へと逃れるレナス。が、それは何度も見た光景だ。それよりも先に刀弥も前進を開始している。

 銃口が刀弥の体を捉えるよりも早く刀が振り下ろされた。慌ててレナスは左へと飛んで逃げる。

 刀はそのまま背後にあった計器を両断。両断から逃れたレナスは幾度か転がりながら銃剣を発射し反撃を行ってきた。

 その射撃を防いだり避けたりしながら刀弥は再度レナスへと向かっていく。

 一方のレナスは転がりから立ち上がるとこれまでとは逆に自身からも接近していく。

 自らの意思での接近。その事に警戒感を高める刀弥。そうして彼は刀の間合いに入ったと同時にその刀を振り抜いた。

 左から右への横薙ぎ。これに対してレナスは迫る刀に向かって射撃を放つ。

 銃口より飛びでた風弾は刀の横に当たって消滅。その衝撃で刀の軌道が書き換わり、結果、刀の軌道は刀弥の思い描いていた当初の軌道より大きく外れる事となった。

 その下を潜って飛び込んでくるレナス。そうして彼女は間合いに入ると同時に左右の銃剣を同時に振るった。

 左右の銃剣を交差させて振るわれた斬撃。対して刀弥は後方へと飛んだ。それと同時に振り抜いた腕の勢いを利用して体を仰け反らせる。

 二つの剣はかつて刀弥のお腹があった辺りを通過。刀弥の回避は成功した。

 着地と同時に仰け反らせていた体を元に戻す。眼前には攻撃を振り切りノーガード状態のレナスの姿がある。つまり、攻撃チャンスだ。

 間合いをまだ刀の間合い。迷わず刀弥は刀を構えそれを振り下ろした。

 振り切ったレナスはまだ銃剣を上げることができないため、避けることしかできない。けれども、下手な避け場所を選べばすぐさま刀弥の追撃が飛んでくるだろう。

 僅かな思考。そうしてレナスの出した答えは右へと転がることだった。

 倒れこむように右へと体を傾けたレナス。その傍を刀が通り過ぎ、それと同時に剣先から切断の力が空気を介して飛んでいく。

 切断の力はその先にあった機器を両断。そうして機器はエラー音と小さな光をまき散らしながら床へと倒壊していったのであった。

 刀弥の振り下ろしを回避したレナスは身を低くした姿勢で起き上がり射撃。それを刀弥は身を翻す事で避けると回転の勢いのままレナスに向かって片手で刀を振り抜いた。

 迫る刃。それをレナスはバク転で回避する。

 曲芸師にも勝るとも劣らない綺麗な回転で宙を舞ったレナスは空中で射撃を敢行。刀弥はそれに直前に気付き左へと飛んだことで射撃を避けることに成功した。

 反撃に刀弥は斬波をレナスの着地点へと飛ばす。けれども、その程度の事はレナスも想定していた。彼女は飛んできた斬波に向けて風弾を放ち迎撃する。

 この間に刀弥は疾走。一気にレナスの元まで駆けつけると刀――ではなく右の肘鉄で攻撃を放った。

 刀で来るものと思い銃剣を構えていたレナスはこれに反応しきれない。肘鉄を受け息を詰まらせながらたたらを踏んでしまう。

 そこへ追撃の斬撃が来た。腕の力だけで振るっているため力と速度はないが、息を詰まらせていたレナスは気付いても動けない。どうにか体は動かし後退することはできたが、それでも胸に浅い傷ができてしまった。

 すぐさまレナス反撃の射撃を撃とうとするが、その攻撃は刀弥がすぐさま身を伏せた事で空振りとなってしまう。

 立ち上がり様、前に出ると同時に刀を振り上げる刀弥。

 それをレナスは左の銃剣で抑えこんで反対の銃剣で射撃を狙う。

 銃口が頭部に合った。と、同時に体を右へと捻った刀弥。直後、彼の頭の傍を風弾が掠めていく。

 一瞬でも遅れれば頭を撃ち抜かれていたという事実に肝を冷やしながら刀弥は一回転をすると勢いそのままに左足の回し蹴りを放つ。

 左足が狙うのはレナスの右手。高さ的には体の真ん中、腰のやや上辺りである。

 レナスは不審な顔をしながらも右手でガード。手の甲で蹴りを受け止めると右手を振り下ろしてて銃口を刀弥へと向けようとする。

 けれども、刀弥は攻撃を防御されたと同時に次の攻撃に入っていた。足を引き戻す動作を利用して右手の刀を振り上げたのだ。

 片手だけでの右下から左上の軌道。斜めといっていい軌道なのは片手故に持ち上げづらくまた左足の引き戻しを利用しているからだ。

 引き金を引くよりも早く刀の刃が自身に届くと直感したセレナは右手の動きを中断させて後ろへと逃れる。

 そうしてから再び銃口を刀弥に合わせようとしたのだが、剣戟には斬波が含まれていた。回避直後のためにすぐには飛べない。

 状況の不味さに気が付いた彼女は迷うことなく右手の銃剣を斬波に向けて投擲する。

 銃剣は斬波とぶつかり弾き飛ばされたが斬波の威力と速度が僅かに軽減された。その隙をもって左手の銃剣を振り上げ連射する。

 音がいくつも重なりやがて斬波は威力を失い消滅。余った風弾は斬波の存在した空間を突き抜けその先にいる刀弥へと向かって飛翔していった。

 とはいえ、刀弥自身この(かん)に何もしていない訳がない。レナスが斬波の対処をしている間、彼は下半身の力を貯めていた。

 そして風弾が斬波を破壊したのを確認した彼はそれと同時に貯めていた力を開放。右足で床を強く踏み込みただ一歩でレナスの元まで近づいた。

 驚いたのはレナス。まさか、一歩でここまで近づいてくるとは思っておらず左の銃剣は先程までいた場所に向けられたままだ。

 そこへ刀弥の振り上げの一刀。

 この一撃でレナスは左腕を負傷した。負傷で力を失い左手は握っていた銃剣を落とす。

 これでレナスは武器を失った。つまり、無防備にも近い状態だ。

 刀弥はこれをチャンスだと判断し一気に勝負をつけようと刀を構え直そうとする。

 刃をの向きを反転させ振り下ろしができる構えへと移行とする刀弥。その時だ。ふと、刀弥はレナスの右手が動いていることに気が付いた。

 右手の動きは後ろから前へとすくいあげるような動き。真横から見れば腕が振り子のように見えることだろう。

 無手の右手をそのように動かしてどうするつもりか。そう思った刀弥だったが、直後、袖口から飛び出てきた短剣を見て理解する。彼女はその短剣をこちらに投げるつもりなのだ。

 振り下ろしでは投擲の妨害はできない。やむなく彼は強引な右サイドステップで回避を試みる。

 姿勢が崩れるが構わない。そのまま倒れながら彼は右へと己の体を飛ばした。

 投擲された短剣は刀弥の左足少し上を通過。ひとまず回避に成功し心の中で安堵する刀弥。しかし直後、その安堵が吹き飛ぶこととなった。


「ロアン!! 後ろ!!」


 なんと、レナスの飛ばした短剣の先にロアンの姿があったからである。

 彼女は最初からもう時期、制御装置にり辿り着こうとしていたロアンを狙っていたのであった。

  

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
拍手もらえたらやっぱり嬉しいです。
ただいま一章で名前だけがでた高峰麗華のショートストーリーを掲載中。01月05日:更新:零話終了
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ