一番死にそうになった日
イリアとジークがたまたま並んで治療していた。
イリアがジークの実力を見て言った。
「いつみても凄すぎますよね…ミスとかしたことあるんですか?」
「…一回あるよ。」
「どんな時ですか?」
「内緒。」
「一番辛かったときは?」
「うーーん…あの時かな…4年前患者が一万人来た時に魔術医師は俺一人、助手は8人しかいなくて」
「それ…ちょっと大げさに言ってますよね?」
「大げさなもんか!!死にそうになったんだから!!本当に…」
4年前…
「ジーク先生!!患者が待ってますよ!!寝るな―――――!!!」
「寝かせてください!!もうもうもうもう無理です!!」
「テメーこのやろーー!!テメー―がやんねーと何時までたっても終わらねーだろーがー!!いいから早くやれ!!」
「ぐあーー!!かいうはすぎぃかじぇでがしょういんくり!!!!」
「ジーク先生が壊れたぞ!!例の奴もってこい!!」
現在…
ジークは思い出しただけでも身震いした。
「テメーって叫んでた人はだれなんですか?」
「…言わない…言ったら怒られるもん」
「一万人も治療できるものなんですね…」
「寿命が10年は縮まったけどね…」
「ところで、例の奴ってなんですか?」
「恐ろしい薬…激痛と引き換えに魔力と体力を戻す。でも、想像を絶するほど痛いし、10日間は悪夢にうなされる…」
「そんな危ないもの打てる助手の人はいるんですか?」
「一人ね…」
「誰ですか?」
「言わない…おこられるもん」