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感動の授与式

「ジーク先生!イタリー王国からの兵士の方が来ていますけどどーしましょうか?」

「適当にあしらってくれよ!こっちは忙しいんだから!」

「先生の戦場での医療活動を貢献して賞が貰えるらしいですよ!そして来週授与式があるので来てほしいんですって。」

「えっ!俺に…そーかー…丁重にもてなしといてくれる?」

「…かっこよく『俺は賞なんかに興味ないとか』言って下さいよ。」

「いや…やっぱり自分のやってることを認められるのって嬉しいだろ。」

「…そーですね!たまにはいいかもしれませんね。」



授与式当日…


診察所


「ってなんで授与式に診察所で診察してるんだよ!せっかくの俺の晴れ舞台なんだから行かせてくれてもいいだろ!!」

「まあまあ…先生がいないと患者たちが死んでゆきますから。オータムが代わりに行ってくれてますから」

「なんであいつだけ…」


授与式会場


「魔術医師ジーク代理人オータム!」

「はい。」

「貴殿は戦場での医療活動という…………ここに表彰する。」

観衆がオータムに向かって満面の拍手をした。

「ありがとうございます。このような賞を頂いてジークも非常に喜んでいることと思います。ここでジークより手紙を預かっているのでこの場で読み上げたいと思います。」

オータムは預かっていた手紙を開き読みだした。

「本日はこのような賞を頂き、非常に光栄です。しかし、私は本来このような賞をもらえる人間ではないのです。私は戦場で患者が多く人が傷ついているにも関わらず、何度も何度も逃げようとしました。治療しても治療してもキリがなく、終わりのないこの地獄に耐えられなかったのです。しかし、私が今この賞をもらっているのは、ここにいる…オータムと…2人の助手のおかげなのです。彼女たちはこの地獄にもめげることなく、ただひたすら患者のために…いつも笑顔で…時には私を元気づけてくれました。だから、私がこの賞をもらって嬉しいのは…この助手の3人が表彰されているようで嬉しいのです。本日は本当にありがとうございました。」

オータムの目には涙がたまっていて、声は感動で震えていた。

観衆から改めて満面の拍手が送られ授与式は幕を閉じた。



授与式後診察室にて


オータムは帰るや否やジークに熱いハグをした。

ジークは照れながら言った。

「おっおい!どっどーした!急に…」

「…ありがとうございます。あんな風に思ってくれているなんて…嬉しかった…」

オータムは助手達に手紙を見せた。

すると助手たちもまたジークにハグをした。

ジークは照れながらも心の中では罪悪感でいっぱいだった。

-ラーマさんが来てるって聞いたからどうやってかっこよく見せようかって一生懸命考えて書いただけなのに…この状況ではとても言えない…墓場まで持ってこう…-



魔術医師ジークの苦悩は続く





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