帰り道
とうとう技術交流も終わり、帰る時が来た。
所長のライラに一つ頼まれたことがあった。
「ジーク先生に一つ頼みたいことがあります。息子のノイズを一人前の魔術医師にしてやって欲しいのです。」
「うちは来る者拒まずですけど…特別扱いはしませんよ?本人が諦めたらそれまでですし…」
「構いません。ジーク先生の所に預けて、自分より実力が上の人たちの前で揉まれてほしいのです。」
「…わかりました。」
帰りの道で…
馬車の中で、ジークがまたもゲームを提案した。
「20の質問ゲーーーム!!」
みんな5000人の患者を相手にして疲れ果てている中、ジークのみ元気だった。
どうやらみんなで旅行するのが楽しみで仕方ないらしい…
すぐに、みんなが不平不満ばっかり言ってすぐ中止になった。
ジークがいじけていると、オータムが仕方なさそうに言った。
「じゃあ、やりますか!!」
オータムが一言声を掛けると、みんなも仕方なさそうにやりだした。
ジークは再び元気を取り戻した。
結局、20の質問ゲームはすぐに終わったが、話題は新しく入ったノイズに集中した。
「ノイズの趣味は?」
アリーがそう質問すると、ノイズは面倒くさそうに言った。
「それ聞いてどうすんの?」
その言葉に馬車内がシーンとなった。
アリーがシュンとしているので、オータムが怒って言った。
「ちょっとそんな言い方ないんじゃない?」
「俺は馬車内は静かに過ごしたいんだよ!!大体仕事を一緒にやるってだけでなんでプライベートまで話さなきゃいけないんだよ!!もう放っておいてくれよ!!」
そう言って、ノイズは毛布を頭からかぶった。
ジークは黙ってそれを見ていたが、すぐにノイズの毛布をはぎ取って言った。
「駄目だ!!一緒に20の質問ゲームをやろう!!」
「嫌だって言ってるだろ!!」
「所長の俺の命令を聞けないならライラ診療所に帰ってもらうぞ!!なんせ俺は所長だからな!!」
「…くそっ」
ノイズは渋々20の質問ゲームをジークとやった。
全然盛り上がらなかったが…