技術交流(7)
ジーク達がライラ診療所に行ってる間、ライラ診療所からも魔術医師が来ていた。
ロスが代表で出迎えた。
8人くらいの魔術医師が来た。
ロスが代表者に挨拶した。
「どうも、ロスと言います。よろしくお願いします。至らないところがあったらなんでも行って下さい。」
「こちらこそ…代表者のノックスと言います。今日からお世話になります。」
非常に丁寧にあいさつしてくれたが、まなざしは俺の方が優秀だと言わんばかりだった。
ロスは早速ノックスたちを診療所の中に案内した。
ノックスたちは診療所が患者であふれている様子を見て、だらしない診療所だと思ったらしかった。
ノックスがロスに言った。
「失礼ですが、もう少し診療所内をしっかりした方がいいのでは?一人一人が効率よく動かないといい仕事はできませんよ。」
「…そうですね…確かに…しかし、一人一人の負担が大きくてどうしても行き届かなくなってしまいまして…」
ノックスは得意げに言った。
「そうやって自分たちの実力のなさを環境のせいにしてるからダメなんだと思いますよ!!」
ロスはシュンとして言った。
「…そうですね…気を付けます。」
ノックスは自分の実力に絶対の自信を持っていた。
ライラ診療所でトップクラスの実力で次期所長と噂されていた。
ただ、この診療所の評判が凄くいいのでノックスはいつも腹立たしく感じていた。
――なんでこんな患者があふれている診療所の評判がいいんだろう――
そう思い、ノックスは自分の実力を見せてやろうと思った。
ノックスはロスに言った。
「早速、治療を見せて頂きたいのですが!!」
「そうですね…じゃあ、モズ先生の治療を見てもらいましょう。」
ロスはノックスたちをモズの元へ連れて行った。
モズはいつものメンバーが不在な分疲れていたが、通常通り治療を行っていた。
モズの通常の治療はノックスたちに自信を失わせるには十分な手際だった。
ノックスはたまらず尋ねた。
「…あなたはこの診療所で一番の実力なのですか?」
「いやいや、私はこの診療所の魔術医師では一番ダメですよ…」
「…」
「今日はノックスさんらの治療を見て勉強させてもらいます。じゃあ、次の患者から交代しますのでよろしくお願いします。」
ノックスの顔は真っ赤になった。