技術交流(6)
ジーク達が来て一週間が経った。
ジーク達の余りの凄さにライラは自信喪失してしまった。
ライラは途方に暮れて診療所の屋上で空を見ていた。
オータムがライラの様子がおかしいことに気づき、屋上に行きライラの場所へ行った。
オータムがライラに話しかけた。
「どーしたんですか?…元気ないですけど…」
「今まで私がやって来た事って…なんだったんでしょうね…」
「何がですか?」
「私の診療所の人たちは、あなたたちの凄さに圧倒されていますよ。ここのレベルがどれだけ低いのかを感じ取ってるはずです。私だって一緒です。」
「なんだ…そんなことですか…」
「そんなことってどういうことですか!?」
「そんなことじゃないですか!!私たちがどれだけ頑張ってきたのかも知らないで…」
「…どういうことですか?」
「私たちは魔術医師がジーク先生が1人になってしまって、助手の3人でそれを支えてきたんですよ!!何回もライラ診療所に助けの手紙を出しましたよ!!でも、あなた方は一回として助けてくれなかったじゃないですか!!その時、ジーク先生がどういう生活してたと思います!!一日睡眠が2時間眠れればいい…そんな時が何年も続いて…そんな地獄に比べたらあなたが思っていることなんて取るに足りないことでしょう!!」
「…」
「やっと助けてくれるメンバーが集まって、弟子だって育ち始めてる…でもそれはジーク先生が挫けずに頑張ってきた結果なんです!!あなたたちもジーク先生の1%でいいからもっともっと頑張りなさいよ!!」
オータムの怒鳴り声を聞いてジークが上がってきた。
オータムはジークを見つけると怒りながら去って行った。
ジークはライラの元に言って謝った。
「うちのオータムがどうもすいません。」
「いえ…あの時はすいませんでした。」
「あの時?」
「私…実はオータムさんから手紙貰ってたんですよ。何人か…応援を派遣してほしいですって…私その時派遣しなかったんです。私たちのところだって余裕ないからって…でも非常に苦労されたって話で聞きました。」
「ああ…しょうがないですよ…オータムたちはあの時そーやって頑張ってくれてたんですね…ところでどうですかうちのメンバーは?」
「本当に素晴らしいです…私のやって来たことがまるでダメだって思うぐらいに…」
「…でも、私はあなたのことを尊敬していますけどね…」
「えっ?」
「…うちのメンバーはほとんどが才能に溢れてます。でも、あなたは並の魔術医師だったでしょ?それでここまで立派な診療所にしたなんて信じられません。」
「…ありがとうございます。」