技術交流(4)
長い道のりを経て、やっとライラ診療所へ到着した。
所長のライラがジークに挨拶してきた。
「本日はこんなところまで足を運んでくださってありがとうございます。」
「いえ、こちらこそお招きいただいてありがとうございます。」
「伝説のジーク先生方の治療が見れるとあってみんな非常に張り切っています。どうぞ、お手柔らかに。」
「いえいえ、そんな…」
オータムがイライラして耳元でささやいた。
「ジーク先生!!何デレデレしてるんですか!?」
「あ、挨拶してただけだろ!」
メンバーは中に案内された。
診療所の中は、さすがに国内最高と評されるだけの素晴らしい設備だった。
医者の数も240人とジーク達の30倍いた。
ライラは説明した。
「今は魔術医師不足ですが、これから魔術医師をどんどん増やしていくつもりです。学校を1校建設して、弟子をそこで1000人教えていますの…」
「ほえーーー!!凄いですねーー。」
オータムがまたジークに囁いた。
「ジーク先生!!何間の抜けた顔してるんですか!?」
「でも、実際すごいじゃん。」
「…ばか…」
ライラは一人の魔術医の前で立ち止まって言った。
「この方はラシック先生といって、非常に優秀な魔術医です。デモンストレーションとして治療してもらいましょう…」
ラシックは軽症の火傷の患者に呪文を唱えた。
すると、火傷の後は完全に消えて回復した。
ジーク達魔術医師らは拍手した。
ラシックが挑戦するまなざしで言った。
「伝説のジーク先生の治療を是非勉強させて頂きたいのですが…」
ライラも便乗して言った。
「そうですね。是非!!」
ジークは照れながらも受けた。
「ラシック先生の治療は丁寧で非常によかったよ。ただ、少し時間がかかり過ぎかもなぁ…」
ライラとラシックはその発言に非常に驚いた。
ラシックは治療のスピードが自慢の魔術医師で『サラブレッドラシック』と異名を取っていたからだ。(顔が若干馬面なのもあったが)
今の治療も5分と掛からなかった。
ライラは同じような症状の患者を一人連れてきた。
ジークはその火傷を見るや否や、呪文を囁きながら指でなぞった。
完全に傷を治すのに5秒と掛からなかった。
ライラとラシックは愕然としながらジークを見た。
ジークは照れながら言った。
「まあ…時間が短ければいいってものでもないが、大きな合戦なんかがあると、スピード勝負になってくるからね。ラシック先生もスピードさえ速くなれば優秀な魔術医師になれるよ。」
「あ、ありがとうございます。」
ラシックはそう言いながらも非常にショックを受けていた。