嵐を呼ぶ女(2)
イリアの治療を見ると、即採用された。
みんなザックスの事情は気になるところだが、休みがやはり欲しかった。
ジークがザックスに言った。
「ザックス!!この人凄いじゃないか!!」
「はい…私と同じく副所長をやっていたので。」
「お前には悪いけど、採用させてもらうよ。ところで、イリアを採用したからって出ていかないよね?」
「私はロス先生がとどまる限りずっとここにいるつもりですよ。」
「よかったー。じゃあよろしく頼むね。」
イリアが雇われて1週間が経った。
イリアはところ構わずザックスにアプローチした。
リースはその光景を見るたびにイライラが募った。
あるイリアとリースの診療中、リースがイリアに話しかけた。
「イリアさんはザックス先生のどこが好きなんですか?」
「どこが好きって言われてもね…うーん…頑固なところかな…」
「まあ…確かに頑固ですね…」
「よく二人で喧嘩しててね…私も頑固だから。でも、やっぱり正面切ってぶつかりあえる相手だったからね。」
「…そうだったんですか。」
「あら、仕事中断しちゃったわね…さあ治療始めましょうか。次の人呼んできて!」
ザックスが仕事が終わり家へ帰るとリースが待ち構えていた。
ザックスはリースを見るなり言った。
「ち、違うんだよ!!本当に前の国では別れたんだよ!!だから君と付き合ったんだよ!!」
「どうせ一方的に別れ切り出して、さっさと旅に出ちゃったんでしょ?」
「うっ…」
「そんなの相手からしたら別れたとは言わないですよ。理由も言わずに去るなんて…そもそもあんなに素敵な人を本当に好きじゃなくなったんですか?」
「…」
「もう…いいです。」
リースは出ていった。