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バカみたい

ダンスパーティー当日…


城では各国のセレブがぞくぞくと呼ばれていた。

みんなタキシードやドレスを新調したが、着慣れていないので若干浮いていた。

ダンスが始まり、みんなが踊り始めた。




診療所にて…

「そろそろダンスパーティーの時間ですね…」

オータムが呟いた。

ジークはオータムの呟きを無視して一心不乱に治療していた。

「ジーク先生…今日は気合い入ってますね。」

オータムはびっくりして言った。

いつものペースの倍近くで飛ばしていた。


夕方…


治療を全員終え、ジークは弟子に指示して後は任せた。

ジークは一回深呼吸して言った。

「オータム…一生のお願いがあるんだけど…」

「一生のお願いって…いきなりなんですか?」

「ある女の子と一緒にドレスを買いにいって欲しいんだけど…」

「なんだ…そんなことですか…いいですよ。どこにいるんです?」

「街のパリスホテルの前で待ってるから、よろしく!!」

「…お金はもちろんジーク先生持ちですよね?」


パリスホテルにて…


オータムはパリスホテルの前まで行くと、一人の女性が待っていた。

その女性はオータムを見ると、近づいてきた。

「オータムさん?」

「はい。もしかしてジーク先生の?」

「はい。じゃあ、行きましょうか…」

二人はホテル内にある高級ブティック店に入り服を探し始めた。

「オータムさんは自分の欲しい服はありますか?」

「私だったら断然これを選びますね。めちゃめちゃ高いですけど、お金ジーク先生出すんだから。」

そういって、冗談交じりに笑った。

「分かりました。でも、私はこれにします。」

「いいんじゃないですか?」

「オータムさんはこれを買って下さい。ジーク先生には私から言っておきますから。」

「えっ!!いいんですか?やったぁ!!じゃあ、遠慮なく…」

「試着してもいいですか?」

「分かりました。私も試着しよーっと。」

二人は試着した。

「ぴったりだ!」

オータムがそう言って喜んでいると、その女性は言った。

「ちょっと、こっちに来てくれませんか?」

そう言って、オータムの手を引いた。

オータムは訳が分からないままついて行った。

そして、ある一室に入るとジークがタキシードを着て待っていた。

室内はまるでダンスパーティー会場のような部屋で静かな音楽が流れていた。

ジークはオータムの前まで行って、手を差し伸べて言った。

「僕と…僕と踊っていただけませんか?」

オータムはあまりの展開に驚きついていけてなかったが、

やっと事態を把握すると、ジークに笑いかけて言った。

「ジーク先生…バカみたいですよ?」

そう言いながら顔を赤くして、ジークの手を取った。

二人のダンスパーティーが始まった…

オータムはジークに言った。

「私…今日のこと、一生忘れません…」





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