特別シフト
「ジーク先生!また、バラ先生がお酒を飲んだまま治療していました!!」
バラと一緒に治療を行っていた弟子がジークに報告してきた。
「またか…わざわざありがとうな。」
「ジーク先生…こんなこと言いたくないんですけど、バラ先生は…」
「わかってるから…言わないでくれ…」
次の日、ジークはバラが診療している部屋へ入って行った。
「バラ先生…酒臭いですよ。酒飲んでますよね?」
「ちょっとだけだ!ちょっとだけ!!治療には影響ない。」
「…影響があろうとなかろうと診療所ではお酒は控えてください!」
「…テメー!!誰に向かって口聞いてんだ!俺はこの診療所創設者だぞ!」
「…」
「お前に医療魔術のイロハを教えてやったのも俺だし、色々世話してやったのも俺だ!今後は口のきき方に気をつけろ!」
「…」
その夜、オータムの部屋へジークが入って行った。
「オータム…ちょっといいか?バラ先生のことで話があるんだけど…」
「はい。あの人にも困ったもんですね。」
「…昔はあんなにめちゃくちゃでもなかったよな?」
「そう…ですね。」
「もともとはここの創設者だし、高い志を持った凄い人だったんだよな…」
「…はい。」
「やっぱり…あの人が歪んだ原因は俺とガラ先生かな?」
「ジーク先生とガラ先生が悪いわけではないと思います。ただ…原因はそこかと…」
「そう…だよな…」
「ここの創設者だろうと…ジーク先生なら追い出せると思います。何せ5年間一人で頑張ってきたのはジーク先生ですから。」
「いや…ロスらとローテーション組んで監視するよ。ミスしたらフォローできるように…お前ら助手たちには迷惑かかると思うけど…いいかな?」
「…私はジーク先生の判断に従います。」
「…悪いな」
バラ先生をフォローする特別シフトが組まれた。