ジーク・ザ・ダンシングナイト
診療中、ジークがオータムに話しかけた。
「オータムってさ…今幸せ?」
「別に普通ですけど…」
「いやーそーだよなー!かっこいい彼氏がいるんだもんな!!」
「彼氏じゃありませんけど…」
「俺ってさ…なんでモテないと思う?」
「知りませんよ!!てか仕事してくださいよ!!」
「今度祭りあるよね。そこでちょっと楽しんじゃおっかな!?」
「いいんじゃないですか…」
「そうだよね。この際、彼女がいるいないは忘れて踊り狂う…そんな日があってもいいよね!!」
「まさか…ジーク・ザ・ダンシングナイトをやるんですか!?」
「そう…一夜限りの復活さ…ジーク・ザ・ダンシングナイト!」
「ちょちょちょっと待って下さい…やったあ!私その日非番です!!」
「オータム…運がいいな…その日は伝説の幕開けだぜ!!」
1時間後…
「兄さん!聞いてないよ!!その日にジーク・ザ・ダンシングナイトやるなんて!!俺その日仕事だもん!!」
「…残念だなロス…だが、お前のサポートがなければ決して復活させようなんて思わなかったぜ!!…ありがとうな!!」
「…ザックスにその日の治療代われるかどうか聞いてくる!!」
1日後…
ジーク・ザ・ダンシングナイトをやるという噂が流れて、住民たちが診療所に押し寄せてきた。
「本当に…本当にやるんですか!?」
「ああ…やるともさ!!」
「じゃあ、わしらも久々に燃える時が来たようじゃな!!」
「じいちゃん!歳を忘れて踊り狂えよ!!」
「ああ…この日を待っていたんじゃよ!!」
誰もがジーク・ザ・ダンシングナイトを心待ちにしていた。
祭り当日…
その日は土砂降り、しかも運悪く国王がなくなり、国中が喪に服した。
「こんなことって…」
「そー気を落とすなオータム…次の機会にまたやろうな…」
その時、隣にいた助手が当然の質問をした。
「ところで、ジーク・ザ・ダンシングナイトってなんですか?」