KOKUHAKUをしよう
「ラーマさん!僕と付き合って下さい!!…いや『僕』はないな…ラーマ!俺と付き合ってください!…敬語じゃないほうがいいか…俺と付き合おうか!…付き合おうぜ!…あーなんか違うんだよなぁ」
「先生!診療中に何を独り言ぶつぶついってるんですか!気味悪いですよ。」
「オータム…俺、告白の言葉を今考えてるんだよ。何がいいと思う?」
「いい言葉がありますよ。ちょっと近く寄って下さい。」
オータムはジークの耳元まで顔を近づけ、叫んだ。
「仕事しろーーーーー!!!!!」
「わぁ!!びっくりさせんなよ!」
その怒鳴り声にびっくりしてロスが来た。
「オータム、兄さん、何か大きな声がしたんだけどどうしたんだい?」
「ジーク先生に聞いてください!!」
「いやー告白の言葉を考えてたらオータムに怒られてな…あははは。」
「…告白するのはラーマさんにかい?」
「ふーん…」
ロスはオータムをちらっと見た。そして再びジークの方へ視線を写して言った。
「よし!わかった。俺も応援するよ。明日がその日だったよね。今日と明後日も俺一人でやるから仕事のことは気にしないで告白に全力を尽くしてくれ。」
「ロ…・ロスぅー!!お前はなんていい弟なんだー!!よろしく頼む。じゃあ!!」
ジークは診療所をそそくさと去って行った。
オータムはロスに言った。
「ロス先生。何を企んでいるんですか?」
「別に何も…ただ、兄さんの幸せを祈っているだけさ。」
「…」
「オータムはさ…兄さんがラーマさんと付き合ったら…兄さんを諦められるのかい?」
「…」
ジークの部屋にて
「服は良し!めちゃめちゃ高い服で助手、弟子も絶賛だったからな!!店はレストラン「秋晴れ」で予約したし、告白の言葉も考えたし…よーしやってやるぜ!!…やってやるぜ!!!」
ジークは異様にテンションが上がって、自分の部屋で叫びまくっていた。
ジークが告白しようと決めていた日…ある町のメインストリートにて…
「お待たせしました。ジーク先生。」
「いや、全然待ってないよ!さあ、行こうか!!」
「あの…私ちょっと行ってみたいレストランがあるんですけど、今日はそこに言ってもいいですか?」
「えっ!…も、もちろん!じゃあその店に行こうか!」
―レストラン「秋晴れ」予約したのにー!そこに行こうって言えない俺って…意気地なしか?-
ジークは心の中で叫んだ。