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病院を建てよう

「俺たちの病院を設立しないか!?」

ジークはロスにそう言った。

ロスはジークの言動の意味が分からなかった。(この時代、民間では個人の診療所くらいしかなかった。)

「病院?」

「軍の大規模な診療所みたいなもんさ!いや、それよりはるかにでかい診療所を建てたいんだ。」

「そんなもの俺たちに建てられるわけないじゃないか!第一、お金はどうするのさ!!」

「お金は俺たちがずっと診療所をやって来た金がある!何年間も使う暇さえなくって気が付いたらこんなに貯まっていたよ!わははは!!」

ロスはジークの持っていた計画書に目を通した。

「こんなに…小国の国家予算くらいあるじゃないか!」

「いやー!金持ちからはガンガン金貰ってたからな!貧乏人どもにも払えられる限り徴収してたし…」

「鬼!」

「命の値段としちゃ安いもんだと思うけどな。」

「お金はあっても、魔術医師はどうするんだ!?この大戦中じゃほとんどが軍に属しているだろ!?」

「かき集められるだけかき集めて、それでもダメだったら一から育てるしかないだろうな…」

「一からって…そんな時間どこにあるんだよ!?医療魔術は一朝一夕でできるもんじゃないだろ!」

「時間ならあるよ…俺とお前と一人毎日18時間ずつ働けばいいだろ?」

「…なんでまた…こんな計画を?」

「俺たちがいなくなった時、誰が患者を助けられるんだ?…最初は辛いかもしれないけど、この計画が成功したらもっと多くの患者が助けられるんだ!」

「兄さん…」

ロスはジークのこの言動に深い感動を覚えた。

そして、同時に激しい敗北感に苛まれていた。

「ロスよ!10年後、20年後を見て、いい魔術医になれよ!」

ジークは勝ち誇ったようにそう言って、外へ出ていった。(ラーマに会いに)


その後、ジークの診療時…


オータムがジークに話しかけた。

「ジーク先生…あの偉そうな話…嘘ですよね?」

「えっ!いや、嘘なもんかい。そういう気持ちももちろんあるよ…」

「他にどんな気持ちがあるんですか?」

「いやーやっぱり10年後、20年後考えたらねー!休み欲しいし…もし結婚でもしようものなら新婚旅行だって行きたいし、子作りだって…ねぇ!!」

ジークはウキウキしながら言った。

「…はぁ…」

オータムはため息しかでなかった。

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