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一つの決心

ザガン「なるほどな、それで大鎌を使ったと」

ザガン「おめぇさん相変わらずとんでもねぇな」

ゼロ 「そうか?使ってみたら使えたって感じなんだけど」

ザガン「そもそも使ってみようなんて事も考えねぇのさ」

ザガン「あの形状だ、振り回すだけで手一杯だからな」

ゼロ 「なるほど」


その日ゼロは手甲と脛あて、大鎌の事を相談するべく

ザガンの鍛冶屋を訪れていた


ザガン「しかし大鎌を使うのはいいが、持ち運びも大変だぞ?」

ゼロ 「やっぱり?鞘に収める物でもないしどうするかと思ってはいた」

ザガン「まぁ無理だわな、あの形状じゃ布の入れ物作るくらいしかねぇ」

ゼロ 「手甲と脛あてはいいとしても鎌は無理かなぁ」

スワレ「あら…そんな事ないわよ?」

ゼロ 「あれ?スワレ、街に来るの珍しいな」

スワレ「買い出しのつもり出来たんだけどね、面白い会話聞こえたから」

ザガン「スワレ、そんな事無いってのはどういうこった?」


スワレは懐から装飾品を取り出す


スワレ「これを使うのよ」

ゼロ 「なにこれ?」

ザガン「ゼロには装飾品の効果は無効だろ?使えるのか?」

スワレ「装飾品の効果には頼らない、頼るのはそれの能力」

ザガン「能力?なんか特別のもんがあんのかこれ」

スワレ「それは()()()()が付与された特別な物なの」

スワレ「つまりそれに大鎌を収納して持ち運べるってわけ」

ゼロ 「マジで?!」

ザガン「おま…よくこんなもん」

スワレ「ゼロが採掘場を制圧してくれたお陰だけどね」

スワレ「あそこの更に奥に魔鉱石が少量あったの」

スワレ「魔法を付与しても問題ない装飾品を作るのに利用出来た」

スワレ「でも収納量は少ないから気を付けてね」


そう言ってその装飾品をゼロに渡す


ゼロ 「嬉しいけど、本当に貰っちゃっていいのかこんなの」

スワレ「お礼だと思って、貴方には沢山お世話になったから」

ザガン「手甲と脛あてについても任せな、バッチリいいもん作ってやる」

ゼロ 「あぁ、お願いするよ」


ザガンとスワレの二人と別れ、街をぶらぶらと散策する


ゼロ 「あと三日か…」


自分が決めたこの村を出る日を考えて呟く

村の周囲を囲う壁は鉄になりつつあり、武器も作られた

産業の復活を機に村は賑わう様になり

この村の問題は完全に解決したと言っていいものとなった


ゼロ 「新しい街で、なにがあるのかねぇ」


この大陸アガメスの主要国家での生活を考えて

げんなりするような、面倒が来ない事を祈る様な

そんな複雑な心境をこぼすようにため息をつく


村長 「なにか悩み事かな、ゼロくん」

ゼロ 「え?あ…村長さん」

村長 「こうして面と向かって会うのは初めてだね」

村長 「儂の名はオルカ、知っての通り村長をしているよ」

ゼロ 「知っての通りゼロです、すみません挨拶も行けず」

オルカ「よいよい、お互い忙しかったのだからね」

オルカ「それで、何を悩んでいたのかな?」


ゼロは一瞬考えるような素振りを見せて答える


ゼロ 「世界を見てみたいと旅立つを事を決めたものの」

ゼロ 「いざその日が近づくと、なんだか不思議とこの村の居心地がよくて」

ゼロ 「離れがたいというか、まぁ優柔不断になるというか」


その言葉にオルカは笑みをこぼし、ただ一言こういった


オルカ「では、行かなければいいさ」

ゼロ 「え?」

オルカ「この世界を見る事などいつでも出来る、いくらでも出来る」

オルカ「だがここから離れてしまえば帰ってくるまで誰とも会えん」

オルカ「君の心のままに動きなさい、やりたいようにやりなさい」

オルカ「君がどこから来て、何を成すのかは分からないが」

オルカ「後悔の無い選択をするのが一番だ」


そう言い残しオルカはそれではねと踵を返し人混みの中に消える


ゼロ 「後悔の無い選択をするのが一番…か」

ゼロ 「確かにそれもそうか」


その日はリアとララの家に帰り、ベッドに寝転がり天井を見上げる


リア 「あ、ゼロさんお帰りになってたんですね」

ゼロ 「あぁリアさん、お帰りなさい」

リア 「はい、ただいまです」


リアは座り直したゼロの隣に腰を下ろし隣り合う形になる


リア 「こうしてると、なんだか落ち着くんです」

ゼロ 「え?隣で座ってるだけでですか?」

リア 「はい、こうしているだけでです」

ゼロ 「そうですか…まぁ、俺も同じなんですけどね」

リア 「本当ですか?嬉しいです」


嬉しいと言って華やかに笑ってくれるリアを見て

なにかを決心したようにゼロが言葉を紡ぐ


ゼロ 「俺、旅立つのやめようと思ってるんです」

リア 「え?」


目を見開き驚くリア

しかしすぐに顔をゼロに近づけ興奮気味に


リア 「ほ、本当ですか?!村にいてくれるんですか?!」

ゼロ 「え?あ、はい、そのつもりです」

ゼロ 「この村の居心地が良くて、旅立つ日が近づくにつれ離れがたくて」

ゼロ 「村長にその話をしたら、後悔の無い選択をしろと言われて」

ゼロ 「ならこの村に残る事が、後悔の無い選択だと思うんです」

リア 「皆喜びますよ!ザガンさんもスワレさんも!もちろん私もお母さんも!」

リア 「リークさんや村長だって歓迎してくれます!絶対です!」


この村に残る事をこんなに喜んでくれると思っていなかった


ゼロ 「そんなに喜んでくれるとは思ってなかった」

リア 「え?そうですか?皆引き留めたかったと思いますよ?」

ゼロ 「え?そうなの?」

リア 「そりゃそうですよ、あの強さでそれを鼻にかけず仲良く出来る人」

リア 「それだけでこの村で仲良く一緒に暮らしたいって思える人ですから」

ゼロ 「なんかそれだけ聞くと他の街が怖くなってくるんだけど」

リア 「大いに怖がってください、この村が一番だと洗脳します」

ゼロ 「えぇ…?」


可愛く舌を出しながら洗脳などというリアを可愛いなと思いつつ

この村に残る事を喜んでくれるリアがありがたかった


ゼロ 「じゃあ、家が自分で買えるようになるまではお世話になります」

リア 「えぇ?いつまででもいてくれていいのに」

ゼロ 「流石にそれは男のプライドがその、ね?」

リア 「ぶーぶー」


そんなやりとりを扉の隙間から覗くララの目線に二人が気付く事は無かった


ララ 「こりゃ時間の問題かもねぇ、ふふ♪」


旅立つ事は、もうやめた

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