同担拒否強火担転生ヒロインの末路
自分の中の推しを諦められない愛憎に苦しむ、地雷要素を入れてみた婚約破棄モノ、の後日談です。
行為描写はありませんが、性的だったり暴言な言語が仄かにございます。
駄目だな、思ったらソッ閉じ下さい。
自衛大事です。
ここは一番ハマった乙女ゲームの世界。
しかもヒロインに転生した私。
最推しの王子様、キール様のいらっしゃる!!
私はキール様が大好きで、前世でも同担拒否強火担だった。
一人称は僕、穏やかで優しいその麗しいご尊顔の裏には、次期国王という重責に押しつぶされそうになる儚さもある、助けたい守りたい王子様だった。
最推しのキール様の隣は私だけ。
だから、悪役令嬢を冤罪で嵌めたし、ここは私が主人公の世界。
だから好き勝手出来ると思っていた。
結果は私の逆ザマァ。
何とその最推しのキール様が転生者で、しかも悪役令嬢推しだった。
私は親から勘当、離籍され、平民として地下牢に入れられた。
なんでなんでなんで!?
しかも数日後彼らは結婚し、その映像を牢屋で見せつけられた。
嫌だ嫌だ嫌だっ!!!
キール様があの女に微笑み、そして口付け、抱きしめる。
皆が祝福し喝采し、皆幸せそうに笑っている。
返せ返せ返せ、私のキール様を返せ。
私の、私だけの、私だけのキール様を、私がキール様に愛される世界を返せ!
でも、私の絶望はソコではなかった。
更に後日。
私は、犯罪者が入るという強制労働施設に送られた。
そこで私は。
幻視魔法、幻聴魔法を掛けられ、彼らの巣窟に放り込まれた。
前世、現世、私はキール様一択の同担拒否強火担だ。
設定厨でもあり、公式のキール様がやらないされない設定を盛り込む二次創作があらば、著者まで叩きに行った事さえある。
だから、ゲームチャットで出た、キールは実はヤンデレとか、出た時は無茶苦茶腹立ったし、暴れまくった!
それぐらいキール様が好きだったのに。
なんで、なんで、なんで?
そこで私は本当に絶望し、心身共に地獄を味わう事になった。
嫌だ!嫌だ!嫌だ!
酷い!酷い!酷い!
やめて!やめて!やめて!
そこにはキール様がいっぱい居た。
違う、違うっ、違うっっ!!!
キール様は、「俺」なんて言わないし、粗暴な言葉遣いなんてしないっ!
ここにいるキール様は卑猥な暴言を吐き、私を嬲る。
ここにいるキール様は、犯罪者達で、キール様じゃない。
でも、キール様のご尊顔で下卑た笑みで私を嗤い、キール様のお声で暴言を吐き続ける。
嫌だ嫌だ嫌だイヤだイヤだイヤだ厭だ厭だ厭だ!
そんなのキール様じゃない!
違う、違う、違う、チガウ、チガウ、チガウ!
キール様への愛情と、キール様への違和感と忌避感、嫌悪感が、混じりに混じり、凄く気持ち悪い。
嗚咽しつつもキール様に愛されてる様な夢見、そして悪夢を繰り返し、私は嬲られ犯される。
私の中の理想のキール様が居続ける限り、快楽に堕ちきれず溺れきれないまま、私はこの責め苦を終えられない。
あぁ、今日も悪夢が始まる。
いつまで続くのだろう。
バッドエンドは終わりじゃない、終わらないんだ。
ここは現実、リセットの存在しない世界。
久々の若い女だからかキール様は私を生かさず殺さず嬲り続ける。
私の悪夢は今日も終わりなく、私は壊れ続ける。
地雷や解釈違いのジレンマとかあるよね。
推しが推しでない恐怖と嫌悪感。
推しの担降りも出来ず、嫌悪と快楽の狭間で苦しみ続ける。
このヒロインは、どんなアナタでも愛するよ!という人間ではなかったようです。
受け入れられたら……メリバだったかも知れませんね。
転生キール様は、前世は乙女ゲーム配信者(全部のルート絶対開けてやるマン)か何かの男性。
一人称は俺(公では僕)です。
それを知るのは悪役令嬢さん(と護衛達)だけです。
悪役令嬢は名前は考えてませんが、彼女も転生者です。
が乙女ゲーム未収なので、どちらかというと傍観者的です。
内政(秘書系)チート持ちで、転生キール様をサポート出来る感じをイメージしてます。
彼らのフラグは転生キールがへし折っていて、成績のご褒美に、公私のオンオフタイムもぎ取っており、二人のお茶会の時に設けて、二人はその時間素に戻ってお互いを励まし合い、確かな情を持って恋愛結婚に至ります。
ヒロインへの処罰に対しては、推し文化を解ってるので、同担拒否系が嫌がるであろう、自分以外と推しのカプを見せつけたり、推しの姿をした推しでない何かに汚されれば、この上ない罰になるだろう。ということでやってます。
国外追放や修道院行きでは、ヒロインは何処でも推しを想えるし、毒杯とか死罪では懺悔する時間にも満たない、ので、贄として男共の巣窟に放り込まれました。
自分の中で確固たる理想があると、パラレルワールドでの推し、というのは気持ちの悪い得体の知れない物になるかと思います。
最初は書きたいもの(推しでない推しに汚される逆ザマァ)だけで短めにしようと思ってたので、この感じですが、もう少し長めのものとかみたいですかね?
どうなんだろ。