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食べ物シリーズ

小さなあめ玉の夢

作者: リィズ・ブランディシュカ



 あめ玉が転がる。


 ころころとどこまでも転がる。


 しかし、あめ玉は小さいので、遠くへはいけない。


 そのうち疲れて、立ち止まってしまう。


 このままでは、近くしかいけない。


 あめ玉は危機感を覚えた。


 それでは世界の果てを見るという己の夢をかなえられないからだ。


 だから、遠くへ行きたいあめ玉は、とりひきをすることにした。


 ほかの動物に舐めさせてあげるかわりに、自分を遠くへ運んでほしいといったのだ。


 犬や猫、カラスやねずみにくわえられたあめ玉は、舐められながら今までよりずっと、早いスピードで遠くへ行くことができるようになった。


 しかし、あめ玉は、そのかわりにどんどん小さくなっていく。


 命が残り少なくなっていく。


 しかし、あめ玉はほかの動物と取引するのをやめなかった。


 世界の果ては遠い。


 想像できないくらいに、果てしなく遠い。


 生きているうちにたどり着けないとわかっていても。


 あめ玉は目指すことをやめなかった。


 そうして、舐められつづけて、砂粒ほどのサイズになってしまったあめ玉。


 結局世界の果てにはたどり着けなかったけれども、あめ玉は満足だった。


 夢に生きている間は、大変でも幸せだった。


 いいあめ玉生だったと思い、あめ玉は最後に日の光にとけて、なくなっていった



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