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魔法との出会い

朝食を家族と済ませ、自室へ向かう。

朝食は結構普通の洋食という感じである。

野菜とか卵とかパンとかほぼ同じ見た目で同じ味。

異世界珍味とか食べさせられるかと思ったが、意外と優しい。


そういえば転生前、俺はよく異世界転生モノをよく読んでいたが、

なんか急に食レポ始まるやつがあった気がするのだが、あれはどこの層に向けていたのだろう。よくわからなかった。

なろう小説は好きなんだけどね。


というか、この世界にはアニメも漫画もラノベもなさそうだ。

シンプルに暇だ。しかし、人間の歴史を考えてみると、インターネットができたのなんて最近である。

ということは、人間はインターネットなしでも生きられるのだ。(当然)

せっかく、こんな世界に来たんだし、アクティブに生きよう。


やはり、まずは魔法を試してみるか。

魔法について書いた本も書斎にあるとオリバーも言っていた。

まずは、書斎に向かうか。


書斎の扉を開けると、本独特の香りがする。

俺は本が好きだ。ラノベを読むことが多かったが、一般文芸も読むこともあった。

本の内容はもちろんだが、本がきれいに並んでいること自体に意味があると思っている。


さっき、オリバーに、本を読むなら文字が読めなきゃいけないな、と文法書のようなものをもらった。

この世界の言葉は、一見すると韓国語のハングルみたいで、文字というより、記号みたいに見える。

文法自体は、基本的に一つの字に一つの音が当てられている。文字の数もそう多くない。

日本語に近いといえる。これはかなり好都合だ。


会話はできるので、発音は完璧だ。さっきオリバーに大体教えてもらったので、

文法書を読みながら、書斎の本の背表紙を見てみると読み方がわかるものも多い。

その中に、『魔法入門~これで君も大魔導士に~』という本があり、その本を取り出す。

ざっと中を見てみると、結構すらすら読めそうだ。本当に優しめの本のようだ。

しかし、この本では大魔導士にはなれそうにないが。やはりどの世界にもタイトル詐欺はあるようだ。


自室に持ち帰り、本を開く。まず、魔法の基本情報について書かれていた。

魔法は火・風・土・水の四属性。基本、一人一属性。基本、詠唱が必須。

それぞれの属性にはそれぞれの強みがある。


火はシンプルに威力が高い。魔術師の花形だそうだ。

水は威力が火に劣るが、人間にとって必要不可欠なもののため、旅の時になどに重宝される。

土は派生魔術が多様である。錬金術や毒魔術も使えるようになる。

風は極端な魔術だ。極めれば、竜巻を出したり、天候を操ることもできるらしい。

しかし、よほど魔術が得意でないと厳しいとのこと。魔力が少ないと、ほんとに弱いらしい。


また、魔法は空気中の魔素と体内の魔力を組み合わせて使う。

魔素は全員同じ条件である。

つまり、魔法の強さは、体内中の魔力総量の多さと体内の魔力回路の抵抗の小ささに比例する。

魔法総量はほぼ遺伝で決まる。魔力回路とは体内の魔力を循環させる器官のことだ。

魔力回路の抵抗が小さいほど、よりスムーズに魔力が流れ、強い魔法が使える。

魔力回路の小ささは使いこむと小さくなるようだ。


なるほど、これで魔法については大体わかった。

しかし、これはかなりわくわくするな。

王道を行けば、俺には女神によってチートが与えられ、

全属性の魔法が使えて、無詠唱が使えて、魔法総量もトップクラスという感じになっているはずだ。


魔法をぶっぱなして、周囲を困惑させ、「あれ、俺また何かやっちゃいました?」

とか言ってみたい。まるで将棋だな(唐突)


早速、魔法を使ってみるか。本の詠唱が書いてあるページを開く。


「何々 …『火の神よ、力なき我にその力の一端をお与えください』


『火球 ≪ファイアーボール≫』!」


…何も起こらない。詠唱をもう一度確認する。間違っては、、いないようだ。

なるほど、ま、まあ、火属性に適性がなくてもね。まだ、三属性あるからね。

俺の戦いはこれからだ。


この後、水と土の魔法も試したが、同様に不発であった。

くっ、まさかこんなに俺に才能がないとはな。そこまで甘くはないらしい。

最後に、風の魔法を使ってみる。


「『風の神よ、力なき我にその力の一端をお与えください』


『風球 ≪ウィンドボール≫』」


すると、目の前の本のページがめくれた。

もう一度、言おう。目の前の本のページがめくれた。


えっ、それだけ?

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