私が剣道をやめた理由
私の父は剣道が好きでした。
と同時に古武道も好きでした。
かといって段は面倒だと言って持っていません。
ですが私的に見るとかなりの実力だと思うのですが……それはともかく。
父が私に何を考えてやらせたかは分かりませんが、一度だけ剣道を習わされたことがあります。
小学一年生のか弱い幼児の時です。
剣道の道場に週二で父は通っていたので私は週一で通うことになりました。
金曜日。学校から帰ったらすぐに地下鉄に乗り道場に向かう日常。
父も私の稽古の後に古武道があるので結局帰るのは遅くなっていたのですが。
まあ父に言われただけでただ自分は何も考えず始めたんですけどね。
結構面白かったです。
最初の頃は防具もつけずに練習していましたが、いつだか思い出せないある日に先生から「そろそろ付けてもいいんじゃないか」と言われて防具を着用して、そこで初めて「剣道」って感じがしました。
ただ面が最初キツかったですね。酸欠になって頭が痛くなった。
始めのトレーニングの後はゆるゆるって感じでした。
先生が何人かいまして空いているところに並んで稽古をつけてもらいます。
まあ先生に打ち込むだけなんですけど。最初の頃は変な形になるのでよく訂正されてた気が……。
メンバーは結構先輩が多かった気がします。
いや、先輩ばっか。
一番年少で小学4年生の子だった気がする。
その他は小学校高学年、中学生ばかりでした。
一時だけ同い年の小学一年生の男の子が入ってきたことがあったのですが、結構騒ぐ子でして。
その割には身長が低くて「同じ一年生なのにこれだけ違うのか」とか私と比べられて呟いてた人もいたんですけど(笑)
その子は結局辞めちゃったなー……。
女子自体も少なかった気がします。
ただ姉妹で来ている6年生ぐらいの人がいて。
その人達は優しくて強かった気がします。
まあメンバーが先輩ばかりでも劣等感なんてありませんでした。
それに道場の居心地も気に入っていましたし。
先生も好きだったし、私の後、父が稽古をしている間家で作ってきたおにぎりを食べるのが楽しみだったしー(しょうもない)
その後塾の宿題をやっていたのですが、私はほぼほぼ受付のお姉さんと話してサボってた気がする……。
というわけで人間関係は良好でした。
剣道も好きだったし。
ですが、3年生の最初の方で剣道を辞めました。
それは先生が変わったからです。
なぜ変わったかなんて分かりません。元の先生は他の稽古の時にはいらしたのですがなぜか先生が変わったんです。
新しい先生は何だかとっつきづらそうな人でした。
それでも私は続けていく予定でした。……最初は。
今までの先生のやり方は先生が受けになって(打太刀とも)生徒が攻めになります(仕太刀とも)。
そこで間違っているところを指摘したり教えたりする方針でした。
小学一年生から中学生まで幅広い年齢層がいる中、ハードな練習内容は避けたのでしょう。
他の方々はどう思っていたのか知りませんが、私はその方法が気に入ってました。
ですが、新しい先生はすぐに「回し稽古」を始めました。
簡単に言うと試合みたいな感じですかね。
得点は関係ないのですが、互いにぶつかり合う。
終わったらまた次の人。と交代でやるミニミニ試合みたいな感じです。
小学校高学年ぐらいならいいでしょう。
ですが低学年はそんなハードな練習で音を上げます。
同じ年齢層ならまだしも、体力差が歴然とある中学生を相手にしなければいけないときもあるのですから。
私は小学一年生だから手加減してくれた人もいました。
ですが、容赦なく打ち込んでくる人もいました。
猛攻撃が凄かったです。ボコボコ打たれて。
頭の上の手ぬぐいが衝撃で目にかかっても止まらなかった。
目が見えなくてもボコボコ叩かれる。
だってその人……確か小学6年生ぐらいの人ですよ!?
何歳差でどんだけ力の差があると思ってんだよッ!
先生もずっと回し稽古しかやらないし。
何も言わない。何も教えない。ただ生徒たちが試合してるの見てるだけ。
それ先生って言うかよッ!
辛い。それに怒りもある。
それで一ヶ月後に辞めました。
これが私の剣道を辞めた理由。
部活の剣道は勉強時間がなくなるのでやめました。
だから私はあれから竹刀に触れていない──。