料理が○○○に変わるとき。
皆さん、料理してますか?
私は、一昨日まで3連休でしたんで、その間ずっと料理してました。
こういうとき、必ず1回はカレーですね。ルーを使っていさえすれば、余計なことをしない限りほとんど失敗のない料理。それがカレーではないでしょうか。
ちなみに『ほとんど失敗のない料理』と書きましたが、皆さんはカレーで失敗したことってありますか? 私は人生で2回ほど経験があります。
1回は中学校の林間学校。具材を大きく切りすぎたせいで、野菜が生煮えのカレーができました。「生でも食える!」って食わされましたけど、不味かったなぁ! あれ以来、ニンジンとジャガイモは、下ゆでするかレンチンするか。それが無理なら火が通りやすいように薄く切ってます。
これから書くことは、もう1回の出来事です。正確に言うと、私が直接的に失敗したわけではないのですが、私のせいで結果的にとんでもないことになったという話です。
私が学生時代、自転車部に入っていたという話は以前にも書きましたので、知っている方もいらっしゃると思います。
その自転車部は、春夏秋の長期休業に入ると、合宿に出かけます。春夏は遠方へ、秋は休業期間が短いので近在へというのが通例でした。
そんなある年の秋合宿のこと。
その年は県内を2泊3日で回る旅でした。初日、温泉地にあるキャンプ場に着いた我々は、設営班、調理班、ファイヤー班(※注)に分かれて野営の準備を始めました。
1時間後。準備を終えた我々が戻ってくると、美味しそうな匂いがしています。そう。この日はカレーなのです!
そして、蓋が開き、かぐわしい香りをさせたカレーが姿を……。ん!? ずいぶんこのカレー揺れないか?
お玉を入れると、さらさらさらさら。全く粘性を感じません。
こういうときは、煮詰めるか、ルーを足せば良いのですが、この水っぽさでは何時間煮詰めたら適正な濃さになるのやら、見当も付きません。そして、残念なことにルーは使い切ってしまいました。また、田舎なので、既に近所の商店も閉まっています。
これは、水みたいなカレーで我慢するしかないか。仕方なくご飯を盛り付けようと、しゃもじを入れると……。ん!? 硬い!
慌てて確認すると芯だらけです。
カレー水溶液と芯ご飯。絶望にうちひしがれる面々に、画期的な新提案が成されました。
「カレーの中にご飯を入れて煮たら良いんじゃない?」
皆は、膝を打ち、早速、調理に取りかかりました。
30分後。わたしたちは新たにご飯を炊き始めていました。おかずは明日の朝食用に準備してあった缶詰です。
朝食ですか? 朝になったら雑貨屋が開くでしょうから、カップ麺でも袋麺でも買えば良いんです。
え、カレーおじやですか?
……キャンプ場の隅に埋葬されました。
我々は、調理によって食材が生●ミになる瞬間に立ち会ったのです。
もったいない?
そんなことはわかっています。でもね、口が飲み込むのを拒否するんです。
舌が肥えすぎだ?
我ら自転車部は、野営地で焼き肉中、突風にあおられて鉄板が吹き飛び、肉が地べたに散乱したとき、「今から3秒ルールを30秒に変更!」のかけ声で、全ての肉を拾い集め、「いや~危ないところだった」と言いながら食った人間ですよ!
そんな人間でも食えなかったんです。味は察してください!
誰だ!「カレーの中にご飯を入れて煮たら良いんじゃない?」なんて言ったヤツは?
もうわかりましたね。俺です。
言い訳します。でも、みんな「それが良い!」って言ったんです。
言い訳。かっこわるい?
……そのとおりですごめんなさい。
これらの経験を踏まえて。
皆さん。カレーを作るときは、水は少なめにした方が良いですよ。後で水は足せますが、煮詰めるのは大変です。
そして、芯が残ってしまったご飯は、水を足してもう一度火にかければ、芯をなくすことが出来ます。
間違っても、水っぽいカレーの中に、芯の残ったご飯を投入してはいけませんよ。
(だれもしないっつーの!)
注:ファイヤー班とは、キャンプファイヤーの準備のため、流木を拾いに行く係。当時、場末のキャンプ場は、水場とトイレがあるぐらいで、管理人はおろか、はっきりしたテントサイトすら存在しないことも多かった。街灯も無いから、夜は真っ暗。明かりの確保のためにも必要な係だった。