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16:命を奪うこと、それ即ち生きること

長くなったから、明日は無し!

 むか~しむかし、あるところにおじいさんとおばさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。おばあさんが川で洗濯をしていると、川上の方からどんぶらこ、どんぶらこと大きな桃が流れてきました...


「どんぶらこって、この話でくらいしか使わない擬音だよね。」

 そんな独り言が、澄んだ空気へと溶けるように消えていく。只今俺は、川にてあるものを洗浄中であり、そのとあるものとは、ズバリ『ブーブの鼻』だ。もちろん、駆除したブーブーの死体からもぎ取った鼻のため、そりゃもう血だら真っ赤な肉の塊である。感触はぶにぶにしているのだが、おそらく軟骨だろうか、時折若干固い部分が指先に触れる。万事請け負い受注所、略して『万所』にてブーブー十体の駆除を請け負ったのだが、その際の報告提示品として十体それぞれの鼻が必要であった。故に、こうして鼻だけをもぎ取って、さらに鼻を詰める袋が汚れると嫌だったので、こうして川の水で丁寧に洗っているというわけだ。今洗っているのが八個目なので、残り一個で完了だ。それにしても、川上からデカい桃とか瓜とかは、一体いつになったら流れてくるのだろうか。

 最後の一個を洗い終えると、背後から何かが近づいてくる物音が聞こえてきた。俺が後ろを振り向くと、そこには口元を真っ赤に染めたシマトラがおり、俺の横を通り過ぎると川に口を付け水を飲み始めた。シマトラの口が赤くなっていたのは、おそらく駆除したブーブーの死体を食べていたからだろう。ブーブーだが、その姿形は猪に似ており、唯一の違いというと馬の仲間のように発達した前歯を持っていることだ。そこから分かるようにブーブーは草食動物なのだが、人の畑で作られた野菜などが好物であるため、この森のブーブーはあの村によく出没し被害をもたらすという。だからこうして、定期的に駆除の対象になっているのだが、その繁殖力は猪のそれを上回り、中々被害が減らないようだ。

 と、そんなブーブーの今回の駆除方法だが、それは至極簡単で、まず森を散策しながらシマトラの鼻でブーブーを見つける。次に、シマトラから降りて、シマトラにブーブーを襲わせる。最後に、シマトラに死んだブーブーの鼻だけを食いちぎって貰い、それを俺が受け取って川で洗う。これで、ブーブーの駆除完了である。認めよう、『労働の対価はシマトラに全て入る』であると。だが、同時に俺は、次のことを声高々に叫びたい。

『生まれてこのかた狩りなどをやったことが無いパンピーへ一体何を期待しているのか』と。

 能力を使え、とか。身体能力高いはずだろ、とか。そんなことは分かっているが、ではそれでどう知らないことをやれと?かの農業系アイドルグループだって、技術はあっても、知らないことは専門家に聞いているだろう?それと同じだ。『餅は餅屋、狩りはシマトラ』そう言う考えの下、俺は洗い物に徹していると言うわけなのだ。まぁ、追々俺自身で狩りを出来るようにならなければいけない、ということは分かっている。だから、

「最後のやつ(ブーブー)は、見つけてくれるだけで良いからな。...殺すのは、俺がやってやる。」

 俺は水を飲んでいるシマトラの背中を撫でながら、そう自分に言い聞かせた。そうでもしないと、命を奪うという行為に尻込みをしてしまいそうで、それは同時に殺す生き物を無駄に苦しめることにも繋がる。それに、試してみたいことがあるので、最後の個体は当初から俺が仕留めようと考えていた。シマトラが水を飲み終えると、俺は再びシマトラの背中に跨がり、森の中へと入っていった。

 ブーブーがいた。この周辺は俺がワーグ平原から入ってきた所のように、巨木の根が地表に飛び出してはおらず、巨木よりも遙かに高さも太さも低い若木が茂っている。そのお陰で、日の光は比較的入りやすくなっており、日中だと俺でもある程度の距離までは視界が効く。そんな俺の視線の先で、一匹のブーブーがこちらをジッと見つめ止まっている。...今、しか無いよな。そう考えた俺は、ブーブーに向けて右手・・の人差し指を向け、念じた。

『その場から動くな。』

 俺はシマトラの背から降り、そのままブーブーの方へと近づいていく。俺が近づいても、ブーブーは一切逃げようとも攻撃しようともしてこないようだ。ただただその場でジッと俺に視線を向け、警戒するかのように動く様子が無い。...やはり、効果が微妙に違っている。

 今までの催眠は、対象が俺のことを見ている時に両手の人差し指を向け、そして心の中で言葉を念じる。そして、念じた言葉通りの催眠が実行される、という仕組みであった。条件としては、対象がこちらを見ている、両手の人差し指を向けて念じる、の二点だ。そんな二つの条件の内、前者は鳥と魚で検証済みなのだが、後者にいたっては今の今まで検証出来ないでいた。...流石に、あの村では検証出来ないしな。

 そんな後者の条件だが、単純に両手では無く片手で同じ事を行うとどうなるのか、という検証である。見たところ、催眠自体は効いているようだ。しかし、ブーブーの目というか感じが、今までのシマトラや鳥のような俺の従うものでは無かった。言葉にするならば、頭と身体の意思がバラバラであることに戸惑っている、と言った感じだ。まぁ、ブーブが口に出して現状を説明してくれるわけが無いので、その真相ははっきりとしない。だがそう仮定すると、ブーブーの目から発せされる警戒や困惑といった感情の意味亜、理解出来る。検証の結果、片手で催眠を行うと意思までは操れない、ということが分かった。

 次の検証は

『地に伏せろ。』

 そう心で念じたが、ブーブーは依然として立ったまま動く様子が無い。まぁ当然と言えば当然なのだが、この検証の主な目的は、“指を使わずに念じるだけで命令は出来るのか”というものであった。実を言うとこの命令方法は、今一緒に居るシマトラに対して既に実行済みだったりする。その際、両手で催眠を行ったシマトラには、この方法で問題なく催眠が発動したのだ。だから今回のように、片手という条件が不十分な場合には発動にどう関係するのか、それを確認したかった。結果としては、片手で催眠をかけた場合、それその方法では効果が無いということが判明した。

 この調子でいくと、他の能力にも両手と片手で微妙に能力に差があるのかもしれない。しかし、片手と両手程度の差しかないとすると、片手は両手の下位互換でしか無い、という結論に至ってしまうわけで......うん。面倒だし、今回はこのくらいで一度切り上げよう。なに、時間は膨大にあるし、能力が使いきれないだけですぐに死ぬことは無いだろう...たぶん。ちなみに他の検証として、片手の催眠状態に出来る時間の限界も考えたが、生憎時間が限られているためそれは断念することにした。

 さて検証も終った所で、ここからどう駆除するかのなのだが...残念なことに俺には銃剣の類いは無く、凶器はこの手に持った俺の頭ほどの大きさがある石だけだ...こういうことを考えてしまうのは、きっと俺の方が間違っているのだろうが...

(無抵抗の動物を攻撃するって...気が引けるなぁ...。)

 はい、だったら、駆除の仕事なんか受けるなって話ですよね。...だってしょうが無いじゃ無いか、(給金が)高額なんだもの。とまぁ、そんな考えも頭を過ぎったが、この場では非常にならないと喰っていけない。さっきも心に決めたじゃ無いか、殺すのは俺がやる、って。ここで躊躇し、こうした残酷な世界を見ないで生きていくことも、おそらく可能なのだろう。生前も、そうした生き方を生まれながらにして取っていたように、どこの世界でも『殺し』を役割とした人は存在する。村の外れに住居を用意して貰ってから知ったが、村の端には畑があるほかに、家畜と思われる動物が何百と居た。確認したわけでは無いが、そういう用途にも活用されているのだろう。だから、これからの生活。他の生き物の命を自ら奪う、そしてその仕事をやることも無く見ることも無い、そんな生き方も十分取れるということだ。


 だがそれでいいのか、男、山田太郎(仮)!

 そんな、綺麗事だけしか知らずに死んでいく、そんな人生を送って後悔は無いのか!?(←既に一度死んでいるが)

 男なら、全てのことを知り尽くした上で、死んでみろ!!


 俺の中で、俺に残っていた“男気”という心が、そんな熱い渇を投げかけてくれた。正直、綺麗事だけで生きていくやり方の方が楽なのだが、俺も本心では、未知の経験値を増やしたいと考えているようだ。だから俺は、用意していた自分の頭ほどの大きさもある石を高々と持ち上げ、

「御免っ!」

と短く口にし、石をブーブの頭に振り下ろした。

 嫌な感触が、石を伝い、両手に届く。一瞬固いものに当たったように感じたが、次の瞬間何かにめり込むような、埋もれるような、そんな感覚が届いた。そして眼下には、身体を痙攣させ俺のことを真っ直ぐに見つめるブーブーが倒れている。マズいっ!そう思い俺は、持っていた石を振りかぶり、ブーブーの頭目がけて再度石を叩きつけた。すると、ブーブーの頭に卵の殻をを突き破ったような穴が開き、そこから血に混じって黄色とも茶色とも取れるような、そんな液体が流れてきた。同時に、ブーブーの鼻を始め目・耳・口からも血が勢いよく吹き出す。目に至っては眼球が外に飛び出し、視神経と思われる細長い筋っぽいものが、元々眼球が収まっていたであろう窪みから伸びている。そんな頭とは対照的に、身体の方は特にこれと言った外傷も変化もない。本当に、俺が振り下ろした石による攻撃のみで、目の前の生物は絶命したのだ。その事実が、その現実が、俺の頭の中で何度も繰り返し言葉と映像で流れている。

 そんな俺だが、もちろん多少思うところがあったものの、当初自分が思っていた以上の嫌悪感や罪悪感は湧いてこなかった。やはり、野生動物を狩ることくらいでは、それほど心が荒れるものでは無いのだろうか。正直、かなりの違和感は残るが、これが結果である。眼下に広がる凄惨な光景も、その見た目の衝撃は強いが、自分でやったことなので案外すんなりと受け入れることが出来た。

 とりあえず、血が未だに流れているブーブーの鼻をはぎ取ることにした。俺は、離れたところに居るシマトラを呼んだ。シマトラがこちらにやってくると、俺は目の前の死体をシマトラに見せる。一応シマトラに食べるかどうかを聞いたつもりなのだが、シマトラは食べる様子が無い。これは、四匹目のブーブーを狩った辺りから見られたのだが、どうもシマトラは既に腹が膨れているらしい。その証拠に、今に至るまでの七匹には一切口を付けなかった。そのため俺は、(その時は)嫌悪感を抱きながらも、その数匹の死体を落ち葉や土で覆ったのだ。流石に土を掘って埋めるには、単純に道具と時間が無かった。

 シマトラが食べる様子を一向に見せないので、俺はシマトラに、ブーブーの鼻だけを食いちぎって渡すように命令した。そして、シマトラが食いちぎった鼻を受け取ると、俺は再びシマトラの背に跨がり森を駆けていく。


 日が頂点から多少傾き、時間で言うと午後の三時くらいだと思われる現在。俺は河原で、魔法の練習をしていた。とは言っても、どうするものなのかよく分からないのが現状で、絶賛お悩み中である。一応ギネアさんから聞いた情報によると、魔法を使うには頭でイメージしたり、イメージしたものを言葉にして声に出したりすれば良いのだそう。だが、いくら思いの丈を声に出しても、それは虚しいことに何も起こすことは無い。まぁ、ジェルミットさんからの話が本当であるならば、俺(の身体)には魔力というものが無く、それが魔法を使えない最大にして唯一の原因なのだろう。とは言え、実際にやってみないことには確かめようも無い。

「その結果がこの様だよコンチクショー。」

 誰に言うでも無く、俺はそんな愚痴を口にした。もうホント、やってらんないッスよこんなの!

 正直、俺に魔力が無いという話は、にわかには信じがたい。なぜならば、俺は五つの能力を持っており、事実シマトラや先ほどのブーブーにはその力が使えていた。この能力が魔法と同じような存在であるならば、俺に魔力が無いのに使用出来ていることはおかしい。だが、この五つの能力が魔法とは全く別のものであるならば、こんなことを考える必要は無い。それでも、現状情報が少ない中では、俺の持つ能力と魔法と同類の能力スキルなるものは同一視して良いと考える。だから俺は、こうして魔法を使う練習をしているのだが...やはり、考えるだけ無駄なのかもしれない。俺がそんな卑屈な考えを浮かべていると、少し離れた場所にいたシマトラのうなり声が聞こえてきた。

 森の方から、何かがやって来た。そいつは、熊のような胴体にカンガルーの足が付いている、特徴的な頭を持った生物であった。俺は、こいつを覚えている。

「...おう、お早い再会だなぁ。」

 そういう俺の手のひらには、じっとりと汗が滲んでいる。やはり、本能に刻まれた死の恐怖は、数日程度で払拭されるものでは無いらしい。闇夜でその姿をちゃんと認識は出来なかったが、この特徴的な姿形をした生物など、忘れたくても忘れられない。俺は、そいつがシマトラと俺をそれぞれ一回ずつ見ると、俺の方へ完全に殺気を漏らしてきた......やるか。

 その生物と俺との距離は、目測三十メートル。人なら速くて、四秒弱で詰められる距離だ。だが、その生物はその範疇などに収まるはずがなかった。そいつは、その場で構えの体勢を取ると、そのまま前方へ...つまり俺の方へと跳躍してきた。そして、俺との距離が二メートルもない程にまで縮まるのに、一秒もかからなかった。たぶん俺が何もしなかったら、そいつは直ぐさま俺の喉元にその大口に生えた牙を食い込ませ、加えたままその頭で振り回し衰弱させるのだろう。だが、

“パンッ!”

と、そんな乾いた音が辺りに響いた。先に言っておくと、発砲音では無い。音の正体は、俺が両手を叩いて鳴らした音で、その両手は手のひらと指を全てくっつけた状態である。なぜこんなことをしたのかというと、とある能力の発動に必要なことだからだ。

 そんな俺の目の前には、俺の喉に照準を構え口を僅かに開けている件の生物がおり、遠くではシマトラが俺の方へと駆け出そうとしていた。だが、そんなに体の生物には共通する部分があり、それは石像のように固まったまま動かないことである。


 五つ目の能力、『時間停止』。


 実は、この能力を使ったのは今回が初めてでは無く、先日ギネアさんがジェルミットさんに憑依?して現れた際、身の危険を感じて能力を発動させていた。まぁ、その時はボルン君にしか効かなくてかなり焦らされた記憶があるのだが、それでも能力が発動することは確認出来たわけだ。そしてその時に、時間停止の能力であるにもかかわらず、屋外から聞こえていた喧噪は一向に止まなかった。そこで俺が立てた、とある仮説としては

『一:俺の見える範囲だけ』

『二:手を叩いた音が響いた範囲だけ』

『三:俺が“止めよう”と意識した存在だけ』

の、この三点において時間停止が発動するという内容だ。ちなみに、なぜ手を叩いたのかというと、俺の能力と制約を与えてきた男がやっていた動きをそのままやったからだ。今のところ、その動きと同じことをすれば間違いが無いので、それを忠実に守っている。と、話がずれたが、つまりはその三点のいずれかと手を叩くことが条件となり、能力が発動すると俺は考えた。そしてさらに大事なのが、叩いた両手を常に合わせていることだ。それをしないと...時間停止が解除される...と思う...たぶん。

 とまぁそんな感じで、一応ちゃんとした確信を得た状態で能力を使ったので、焦って能力を使ったとかそう言うのではない。断じて。本当に。マジで。

 さて、そんな時間停止の能力だが、シマトラのお陰で仮説の三は無くなった。そして、一だが...これは少し微妙なところだ。正直、シマトラの姿が見えていたかと聞かれたら、その答えは曖昧だろう。おそらく視界には映っていたのかもしれないが、俺自身の視野には入っておらず、“認識”という範疇では見えていなかった。例えるならば、“正面を見ているときに横から照明を点滅させられて、その色は分からないものの点滅していることは分かる”みたいな感じだ。だから、現状可能性が高いのは、二の仮説である。

 俺は、目の前の生物を改めてみた。まるで標本でも見ているかのようだが、その瞳や開いた口から覗く生々しさは、まさに生命力に満ちあふれた存在である。だからこそ、それと石像のように動かない姿に、違和感がいつまでも拭えない。俺は興味本位で、その生物に触れてみた。もちろん、両手はくっつけたままだ。中指をその体毛に埋めると、少し固い毛に触れた。それは、恒温動物特有の体毛であり、その先には若干固いながらも柔らかさを感じる“肉”があった。俺はそこからある興味が湧き、その生物の横っ腹を少し強めに押してみた。すると、

“ボフッ!”

と、地面に広がる落ち葉の上に生物が倒れた。倒れたその姿は、まるで人形やぬいぐるみのように元の体勢が固定されており、実は死んでいるのでは無いか、と疑問を抱かせるほどだ。だが、たしかにその生物には生命力がみなぎっており、死んでいるとは思えない。次に、俺はその生物の足を動かしてみることにした。

「(...動かせない。)」

 その足は、まるで肉の下に厚さ10センチの鉄棒でも入っているんじゃないかと思わせるほどに、その関節すら曲げることが出来なかった。それは口も同様で、現在の開き具合から大きくも小さくもならない。ふむ......人形だな。

 そんなわけで検証が終ったのだが...こいつ、どうするかな。一応、俺のことを喰おうとしたようだし、たぶんブーブーの駆除よりも優先すべきはこいつだろう。しかし、今の両手が塞がっている状態では撲殺は出来ないし、足で攻撃は出来るが、たぶん微々たる損傷した与えられない。ここはやはり、シマトラに仕留めて貰うしかない。そのためには、

「(能力...解除しないといけないよなぁ...。)」

と、心で葛藤するものの、目の前の生物からシマトラのいる方へと移動し、両手を離した。瞬間、隣にいたシマトラは駆け出し、向こうで横になっているあいつは、何もない所に向かって噛む動作をしている。そして、そのどちらもが直ぐさま戸惑うように周囲を見渡し、シマトラがいち早く俺の姿を捉えた。そんなシマトラに俺は、

れ』

と命令すると、シマトラは起き上がろうとするその生物に向かって駆け出した。そして、首に勢いよく噛みついた。当然、その生物も対抗しようとその大口を開けてシマトラに噛みつこうとするが、残念なことに、その生物が俺の方を見た瞬間に、俺の催眠能力は発動していたのだ。

 シマトラに首を食いちぎられながら、その生物は息を引き取る直前まで、俺のことをただジッと見つめていた。

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