笑顔は癒しになるらしい
部屋に戻ってきた僕はミーナに服を見せた。
「コレ、全部ミーナの服だよ。」
「フク?」
「そう、さっそく着てみようか。」
「ウン!」
着替えたミーナはどこから見ても年頃の女の子に見える。
鏡の前で自分の姿を見たミーナは驚きつつも気に入ったらしくクルクルと回っている。
「ミーナ、後で隊長にお礼を言わなきゃな。」
「オレイ?」
「そう、『ありがとう』て言うんだよ。」
「ウン!」
そういえば、ミーナてカタコトでしか喋ってないよな。
読み書きも覚えさせないといけないな。
まずは読み聞かせから始めた方がいいかな。
と、同僚が入って来た。
「ロイ、そろそろ飯だから食堂に・・・・・・。」
「おい、どうした? 固まってるぞ?」
「・・・・・・はっ!? いきなり天使を目にしたから意識がっ!?」
天使てミーナの事か?
此処は男ばっかりだから子供とは言えミーナがいるのはやっぱり違うみたいだ。
食堂に入るとさっそく隊長がいたのでミーナを連れていった。
「おぉっ、早速着てくれたのかっ!」
「はい、ミーナも気に入ってくれたみたいです。」
「ミーナ? あぁ、名前が決まったのか。可愛い名前だな。」
「ミーナ、お礼は?」
ミーナは隊長の方を見て、
「タイチョウ、アリガトウ。」
ニッコリ笑って言った。
「どういたしましてだ。やっぱりコレぐらいの年の女の子は可愛いよな。うちの娘もコレぐらいの頃は可愛かったんだが、今はすっかり反抗期に突入して・・・・・・。」
ミーナの頭を撫でながら隊長は何か遠い目をした。
・・・・・・色々あるんだね。
後、気がついたんだけど何人かが良い笑顔でぶっ倒れていた。
譫言で『ミーナちゃんマジ天使・・・・・・』、とか『俺、結婚したら絶対娘が欲しい・・・・・・』とか言っていたけど気にしない事にした。
「あぁ、そういえば午後から王族が視察に来るらしいから失礼の無い様にな。」
王族・・・・・・。
今は余り顔を会わせたくないなぁ。