それは運命の出会いか?
突然将来が見えなくなった翌日、それでも任務は任務としてやっていかなくちゃならない。
今日は砦周辺の見回りをやっている。
因みにだが、僕達がいる砦は魔王城の向かい側に立っている。
だから、この地に住む魔獣てかなり強い。
何度命の危機にあった事かわからない。
だから、結構身の回りには敏感になっている。
些細な音とかすると身構える様にしている。
森の中を歩いているとガサッという音が聞こえた。
僕は身構えて周辺を注意深く見るが特に敵意とか感じられない。
恐る恐る音がした草むらに近づいた。
「へっ・・・・・・、子供?」
ボロボロの服を来た見た目6歳ぐらいの女の子が踞っていた。
「ちょっ!? 君、大丈夫っ!?」
「うぅ・・・・・・、オナカ・・・・・・、スイタ・・・・・・。」
どうやらお腹を空かしているみたいだ。
「わかった! すぐ食べさせてあげるからっ!」
その時は考えるよりも行動する方が早かった。
僕は女の子をおんぶしてすぐに砦に戻った。
「ロイ、どうしたんだ? その女の子。」
「森の中で倒れていたっ! すぐにパンと牛乳を持ってきてっ!」
僕はそのまま自分の部屋に行き女の子をベッドに寝かした。
同僚がパンと牛乳を持ってきてくれた。
「ほら、食べ物を持ってきたよ。」
女の子はゆっくりと起き上がってパンを食べた。
「オイシイ!」
女の子は笑顔を見せた。
よくよく見たらこの子、可愛いじゃないか。
「君、名前は?」
「ナイ。」
無い? 名無し、て事?
「どうしてあそこにいたの? 両親や家族はいるの?」
「ワカンナイ・・・・・・。」
身元不明、て言う事か・・・・・・。
「ロイ、この子捨て子じゃないか。この辺の村では山の中に子供を捨てる、て言う事を聞いた事があるから・・・・・・。」
何らかの理由で家族に捨てられて森の中に置き去りにされたのか・・・・・・。
なんだか僕とかぶってしまって切なくなる。
まずはこの子の体調を回復させないと。