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幕間 トワラルトの王族

トワラルト城内をだるそうに歩く青年がいた。

「はぁ~、疲れた。何も内容の無い会議ほど退屈な物は無いよ。」

「王太子様、余り公でその様な発言をしない方が。」

「わかっていますよ、姉上。」

 この青年の名は『リクルト・トワラルト』王太子、その横にいるのは第一王女の『カチャーシャ・トワラルト』。

 ついさっきまで会議に参加していた。

「前回と内容はほぼ一緒だし何も生まない会議は時間の無駄だと思うんですよ。」

「仕方がないわ。定期的にやらなければいけないんだから。」

 リクルトは優秀なのだが、とにかく退屈が大嫌い。

 目を離すとすぐに何処かに行ってしまう。

 そのお目付け役が姉であるカチャーシャ、トワラルト兄弟の一番上である彼女は個性的な兄弟のまとめ役である。

「そういえば、ルイーザの婚約の件は白紙に戻ったんでしたっけ?」

「その話、ルイーザの前でしたら王太子であろうと半殺しに遇うから気を付けなさい。今、お母様が新しい縁談を進めているわ。」

「母上も世話焼きだからなぁ・・・・・・。別に早く結婚しなくても良い、と思うんだが。」

「お母様自身が苦労されたからだと思うわ。色々あったのは知ってるでしょ。」

「前婚約者に捨てられたと思ったら父上に拾われて・・・・・・。その前婚約者も確か後々家(ごと)潰されたんでしたっけ?」

「そういう意味だとミスト家も同じ運命を辿ってしまったわね・・・・・・。」

「あそこには優秀な次男がいたんですよね? 確かマーリスと仲が良いロイ、て言うんでしたっけ?」

「今はマーリスの計らいで辺境伯の所にいる、て聞いたけど。」

「彼処はきな臭い噂が絶えない所ですよね。1回釘を刺しに行ってみようかな。公務として。」

「まずは溜まっている仕事を片付けてからにしなさい。」

 ハイハイ、と返事をして自室に戻ろうとした時、マーリスが向かい側からやって来たのを見つけた。

「マーリス、ちょうど良かった。」

「兄上、何か用でも?」

「お前の友人のロイ、て今辺境伯の所にいるんだよな?」

「あぁ、その件ですか。実はその辺境伯の所でちょっとした騒ぎがありまして、その報告をしよう、と思っていたんです。」

「報告? 何かあったのか?」

「えぇ、辺境伯の長兄が急死したんですよ。」

「あのプライドだけ高い奴がか?」

「まぁ、自業自得なんですけど・・・・・・、『呪い返し』を受けたみたいです。」

「呪い返し? 魔族の技だよな? 魔族が関わっているのか?」

「まぁ、そうですね。ロイから手紙に詳細が書いてますから読みますか?」

 マーリスはリクルトに手紙を渡した。

 後日、リクルトがロイの元にやってくる事になるのは別の話。


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