村長に報告する
翌日、僕はナノカさんの屋敷に報告をする為にやって来た。
「何者かがこの村に魔獣をわざと引き寄せている、という事ですか?」
「確証はありませんが、可能性は高いと思います。」
僕の報告を聞いたナノカさんは、ため息をついた。
「こんな嫌がらせをしてくるなんて・・・・・・。」
「心当たりがあるんですか?」
「えぇ、多分兄弟の誰かだと思います。」
「身内ですか・・・・・・。」
「前も言った通り兄弟は村や町の管理をしています。兄弟の中には陣地を広くする為に他の村や町を吸収しよう、としているんですが・・・・・・。」
「良くない事があるんですか?」
「えぇ、生活が良くなれば良いんですが、税の値上げやら物価の高騰やら平民の暮らしを蔑ろにしている行動を取っている者もいるんです。そういう所から逃げ出してこの村に来た者もいます。」
「領主、お父様は何も言わないんですか?」
「・・・・・・あの方は書類の数字にしか興味がありません。内情なんてどうでも良いんです。」
う~ん、ナノカさんも家族関係で苦労をしているみたいだ。
しかし、このままにしておく訳にはいかないしなぁ。
「魔獣の件は引き続き、ロイさんにお任せします。」
「了解しました。何らかの対策を取りたい、と思います。」
僕はそう言って屋敷を出たが、対策を取る、と言っても今のところ、どうするべきかわからない。
「ただいま。」
「オカエリ! ミーナ、オベンキョウシテタヨ!」
「そうかそうか、自分からやるなんて偉いな。」
そう言ってミーナの頭を撫でた。
机の上にはミーナの書いたであろう紙が置いてあった。
「あれ? コレ『魔文字』じゃないか?」
魔文字というのは魔族が使う文字の事だ。
「ウン! ホンヨンデカイタノ。」
ミーナは分厚い本を持ってきた。
表紙には『魔族分析新書』と書いてある。
そういえば、砦に所属する時に研修で使った事あるなぁ。
「ん? もしかして、この本に対策のヒントが書いてあるかもしれないな。」
魔族の事も書いてあるのであれば魔獣の事も書いてあるかもしれない。
この読みはビンゴで、魔獣対策のヒントがやっぱりあった。




