ダンジョン
武器屋を出てダンジョンへやって来た。入口で少し列が出来ているので最後尾に並ぶ。
順番を待ちながら物思いにふけっていると自分の番が来た。
「次の奴。ギルドカードを出せ。」
「はい。」
「Fランクか。新人だな。」
「そうです。今日冒険者登録しました。」
「そうか。あまり無理はするなよ。分かっていると思うがFランクならまずは1階~3階位がいいだろう。死にたくなければ深く潜らないことだ。」
「わかりました。ご忠告ありがとうございます。」
「うむ。通っていいぞ。」
会釈してダンジョンに入っていく。
この街にはダンジョンがいくつかあるがどれも地下に広く広がるダンジョンだ。階層は様々だが今回入ったダンジョンは25階まであるダンジョンで初心者向けらしい。
「さて、ダンジョンに来たはいいけどどうすればいいかな?マップもないから道もわからないしなぁ」
幸いダンジョンは地下にあるが暗くはない。所々に光が灯っている。通路の幅は4mくらいあるのでそこそこ広い。
方向音痴ではないがこんな迷路のような場所じゃ迷子になるな。どうにかならないだろうか。世界眼で鑑定すればどうだろう?
早速世界眼を発動してみる。すると視界にこのダンジョンの説明と1階のマップが表示される。
説明にはダンジョン名と階層、それと出現モンスターやドロップ品などが表示された。結構膨大だったので取り合えずそれは非表示にした。お目手はマップだ。ゲームのミニマップのごとく右上に表示されている。ミニマップには赤い点と青い点が点在し、中央に黄色い点がある。赤い点が魔獣。青い点が他の冒険者。そして黄色い点が自分だった。
これは想像以上だった。地図でも見えればいいなと思いながら世界眼を使ったが結果は魔獣や冒険者の位置もわかる優れものが表示された。エクストラスキルは伊達ではないな。
少々視界が見づらいがまぁ問題ないだろう。まずは魔獣と戦ってみよう。
一番近い赤い点を目指して歩き出す。1階にいる魔獣はゴブリン。身長は1m位で手には棍棒を持っている。ゲームなどのグラフィックと同じような見た目で想像通りだったが、牙が剥きだしており実際にこの目で見るとかなり怖い。距離は結構離れているが体が少し震える。
「気づかれる前に倒そう。」
魔法銃を構えゴブリンに照準を合わせる。
打ち方は教わった。魔力を込めながら打ち出す弾をイメージするだけ。
本来ゴブリン程度なら一番簡単な魔法程度の魔力で倒せるのだが曜介はそんなことは知らないし、それがどの程度なのかもわからない。なので取り合えずありったけの魔力を込めていた。魔力を込めても無くならないからだ。
引き金を引く。すると銃口から通路を埋め尽くすほどの大きさの魔弾が撃ち出されゴブリンに向かってゆく。ゴブリンはよけることも出来ずに魔弾に当たり一瞬で消滅してしまった。魔弾はそのまま通路の曲がり角まで進み壁に当たると爆音をたてて消えた。
「・・・・・」
ゴブリンが居たであろう所に白く尖った物が出現した。ゴブリンのドロップ品の牙である。
本来魔獣を倒したら死骸から素材や討伐証明部位をはぎ取るのだが、ダンジョンだけは魔獣を倒すとドロップ品を残し雲散する。
これがダンジョンじゃなかったら素材がなに一つ残らなかったな。オーバーキルもいいところだ。うん。次は気をつけよう。・・・やばくね?
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