第七話「清水流れる蒼き村」
‐アクアヴィレッジ 村長宅
ジクシオン村長「アオバ…いまから、神聖の儀式を始めよう。蒼の精フォール様に認められるか…」
アオバ「はい!村長!」
ジクシオン「それと、レオコーン、ユーフィア、コロモも呼んでおくように」
アオバ「わかりました!」
‐アクアヴィレッジ 神明の滝壺
レオコーン「アオバの儀式を手伝え…か」
ユーフィア「ついに、アオバも神聖な儀式を執り行えるようになったんだね!」
コロモ「私たちが、ここへボロボロになってきたのは10年も前ですよ。その頃アオバはまだ2歳です。あっという間の感じがしますね」
レオコーン「よし、弟分であるアオバの儀式見守ろうじゃないか!」
ユーフィア「そうね、それじゃ、奥へ行きましょうか」
コロモ「アオバ、洞窟内は暗いので足元に気を付けてね」
アオバ「ありがとうコロモさん」
‐神明の滝壺 儀式の間
ジクシオン「レオコーンよく来たね。感謝するよ」
レオコーン「村長、儀式の内容、よそ者の俺らに言っちゃってもいいのか?」
ジクシオン「何をいまさら、君たちはこの村に必要不可欠の存在だよ。アオバの兄のような存在だからね」
レオコーン「そうですね、俺と村長も歳変わらないのにね、なんか村長のほうが俺よりも大人っぽい」
ユーフィア「レオコーンは28歳。村長はまだ30歳だものね」
コロモ「それより!早くはじめちゃいましょうよ」
ジクシオン「そうだな」
レオコーン「儀式の内容を教えてくれ」
ジクシオン「滝壺の中に眠る…我が村の守り神である蒼の精フォール様を呼びさまします」
コロモ「美しい神秘的の水が特徴のこの村の守り神…」
ジクシオン「フォール様の出された課題を無事に合格することができれば、フォール様に認められ次の村の後を継ぐ権利がもらえます」
レオコーン「そうか…なるほどな。…でフォール様とやらはどうやって…?」
ジクシオン「そこの境内にある美しみの皿に滝から落ちてきた雫をたらし…境内に戻す。それが簡単に呼びさます方法とされている…まぁ、私が小さいころはそうやっていたな」
レオコーン「では、アオバ…皿を持ってくるんだ」
アオバ「ハイ!」
‐滝壺境内
アオバ「この鏡の前にある…皿かな。あれ?この鏡…」
???「クヘヘ…こやつが次期村長だと?弱そうな餓鬼だな」
アオバ「うわぁぁぁぁ!!」
‐滝壺 儀式の間
レオコーン「アオバの声!?」
ユーフィア「行きましょう!」
‐滝壺境内
???「誰か来ますね」
レオコーン「アオバどうした?」
ユーフィア「レオコーン!鏡を見て!」
アオバ「た、助けて!」
???「待ちなさい!このガキを殺されたくなければ」
レオコーン「!」
ユーフィア「なにそれっ!」
???「まぁ、いいでしょう。村長…オブディアをここへ呼ぶのです」
ジクシオン「お爺ちゃんはとっくの前に死んでるよ」
???「な、なんだと?」
ジクシオン「僕が10歳の頃ね」
???「100年も昔の事か…人間が生きて居るはずはないか…(うまくこいつらを使えれば…アクアヴィレッジを我の物にできるかもしれんな)」
ジクシオン「ところで、君は鏡の精かい?」
???「クヘヘ…我の事かい?我は呪術師ギヴァラ。とある研究をしている内に呪われた鏡の中に閉じ込められてしまった…助けてもらおうとこやつに声をかけたのだが…驚かせてしまったようだね」
ジクシオン「ギヴァラ…?」
レオコーン「そんな呪術師いたのかい」
コロモ「この鏡。呪われているの?」
ギヴァラ「(チャ、チャンス!)…この鏡に触れぬ方が…!!」
コロモ「え?」
‐コロモは鏡の中にとらわれてしまった!
コロモ「キャァ!」
ギヴァラ「だから言ったのに…」
アオバ「コロモさんはどうなるの?ギヴァラさんは出てこれたみたいだけど…」
ギヴァラ「さぁ、我にもわからん。さて、研究に戻るか。この境内を少し借りよう」
ジクシオン「すまないが、今からちょっと儀式があるので…出て行ってもらいたい」
ギヴァラ「我の言うことを聞けないのかい?…なら、死ぬといいさ!」
‐ギヴァラは持っている杖から光の閃光を放った
ジクシオン「クッ!!」
レオコーン「村長!」
ユーフィア「あ、待て!!」
‐呪術師ギヴァラは逃げて行った
ジクシオン「…す、すまない」
レオコーン「俺らこそ、守れなかった!く、戦士として情けない」
ユーフィア「コロモ…」
アオバ「コロモさんのはいった鏡あいつが持っていちゃいました…」
???「まったく本当に情けない!」
アオバ「…ッ誰?」
ジクシオン「フォール様…?」
フォール「ジクシオン!見ていたよ。今の、そしてそこの戦士もね!」
レオコーン「あんたが妖精かい」
フォール「そうさ、蒼の精フォール。仲間の中で一番好戦的って自負してる。仲間のウィンドから聞いてこの村に再び恐怖が訪れようとしているみたいなんだ」
ジクシオン「恐怖が訪れる…?…クッ…」
レオコーン「村長…大丈夫かい?」
フォール「ギヴァラは100年前ここの村を乗っ取ろうとした魔物さ。僕が倒したんだ。さっきの光線…あたったようだね。2時間内にあいつの薬を飲まないと死ぬ」
アオバ「え!」
フォール「普通の人間が浴びてはいけないくらいの閃光が秘められているんだ…残念だけど、薬が手に入らないなら…ジクシオン、君は…」
ジクシオン「そういう運命だったのかもしれませんね…」
レオコーン「まだ、諦めるな!俺が俺たちが薬を持ってくる!」
ジクシオン「ありがとう、一旦家に戻りましょう。アオバすいませんね…」
アオバ「村長とコロモさんの無事が優先ですから!」
レオコーン「では、おぶっていくよ」
ジクシオン「すまない…」
‐アクアヴィレッジ 正門
シュン「本当にきれいなところだ」
ショチピルリ「嫌な気配が感じる…シュン。こんなことしている暇ではないぞ」
ショウ「まったく、ショチピルリ様焦りすぎですy…」
ギヴァラ「痛い!」
ショウ「すいません、よそ見してました!」
ギヴァラ「あぁ、気をつけろよ」
カイ「なんだ、あいつ…」
ショチピルリ「……嫌な気配ですね。まぁ、村長のところへにでも行きましょうか」
フォール「…あいつたちが、ウィンドの言ってた奴か。ふーん…」