第五話「翠の精復活」
‐フラワーガーデン アシュダル研究所
ミオ、テツside
ミオ「…着いたわ!」
テツ「思った通り、ここの花々は枯れてないようだな」
ミオ「ウィンド様…大丈夫ですか?」
ウィンド「…ありがとう…“草花の笛”は私の力の他に…大自然の力も必要なの…」
ミオ「テツ!この中庭の花々を科学の力で…」
テツ「おう!待ってろ!」
ウィンド「花と科学が融合する時…何とも言えない時代になったわね」
‐幼馴染side
シュン「クッ…なかなか強いな」
ショウ「さっきの…怪人ゲドとは大違いですね」
悪アシュダル「ガハハハハハ!あんな下級魔物と一緒にするな!私の方が実力も上だ!上級魔物だからな」
カイ「魔物にも上下関係はあるんだな」
悪アシュダル「ふん…小僧たちに教えてやろう。俺達は7体の上級魔物で構成された最強の魔物軍団なのさ。以前に事件が起きバラバラになったが…リーダー…いやボスが蘇り俺たちも復活したというわけだ」
シュン「なるほどね…それじゃ。お前の仲間が他で暴れてるってわけか」
悪アシュダル「そうだろうね。グハハハハハ、残念だな。お前らはここで私に殺される運命だ!」
カイ「そうはいかない!」
ショウ「耐えれるか…俺たちで!」
‐ミオ、テツside
ウィンド「だいぶ…力が戻ってきたわ」
ミオ「テツがこの中庭の花たちの栄養を最大限科学でバックアップしています。大自然以上のエネルギーが発生しています。本当は、このエネルギーをフラワーガーデンへ使用できれば…ウィンド様にも喜ばれたのに…先生は…」
ウィンド「アシュダルの気持ちはわかります。彼も、こんな研究したくなかったと思いますよ」
ミオ「…あの事件が無ければ…ですか?」
ウィンド「何千年に一度…襲った大嵐。フラワーガーデンは壊滅状態…私も全力を尽くし人間の救出にはげみましたが力不足でしたわ…。大量に研究員を失ったアシュダルは…何かに憑りつかれたように…人間を蘇らせるなど…無意味な実験を…。しかも、一度死んだ人間を蘇らせる研究をしているなど…知られないためにも第一ラボを閉鎖。数少ない研究員と共に研究することに…そして死んでしまった研究員の魂を…。だけど今回の事故に、研究は全く関係ありませんわ」
ミオ「え?」
ウィンド「悪霊アシュダルは…100年前にほかの魔物と手を組みフラワーガーデンや…ほかの街を襲ったことがあるのです。ですが、私や仲間たちが防ぎ封印し一件落着しました…ですが、何かの影響であいつが復活し…今に至るわけです。フラワーガーデンを襲ったのも私の復讐でしょう」
ミオ「そうだったんですか」
ウィンド「こんなことをしている場合ではありませんわ。急がないとあの子たちが危ない…一度力が弱まってるとはいえ…あいつは上級魔物です」
ミオ「ウィンド様!」
ウィンド「‐花の神ショチピルリ様…すべての草花と大自然の漲気を我に力として宿してください」
花の神ショチピルリ「翠の精ウィンド。100年ぶりだな。我を呼び起こすのには理由があるのだろう?」
ウィンド「悪霊ゴースが美しき庭を荒らしまわっております。今一度お力を貸してください」
ショチピルリ「悪霊ゴースとな…。ふむ、なるほど、100年前のあやつか。よかろう、今一度お灸を据えてやらねばならんな…ウィンドよ我が魂をお前に貸そう」
ウィンド「ご協力感謝しますショチピルリ様」
‐ショチピルリの魂はウィンドに宿った
ウィンド「今、大自然の力を!“草花の笛”に宿す!」
ミオ「…すごい!」
ウィンド「ミオ…この笛を持ちあの子らの元へ。あいつが油断した好きに笛を吹き笛の音色の中に閉じ込めるのです!閉じ込めたのならその笛を燃やすのです」
ミオ「わかりました!」
‐幼馴染side
シュン「ハァハァ…ちくしょぉ!」
‐悪アシュダルは邪眼を使いシュンの動きを封じた
悪アシュダル「残りはお前だけだ!!ガハハハハハ手こずらせやがってぇ!今度こそとどめを刺したやる!」
カイ「…シュンー!」
ショウ「くそっ!」
悪アシュダル「喰らえ!邪念封じ!」
‐呪文を唱えようとした悪アシュダルだったが…そこに木の枝が飛んできたのだ
悪アシュダル「!!!なんじゃこれは!木の枝?」
テツ「そこまでだな。アシュダル先生…いや。悪霊ゴース!」
悪アシュダル「ぬ?貴様か…」
‐どこからともなく笛の音が聞こえる
悪アシュダル「…!この笛の音は!」
ミオ「これまでよ!!悪霊ゴース!」
‐アシュダルに憑りついていた悪霊ゴースは笛の中に閉じ込められた
ミオ「シュンくん、ショウくん、カイくん…大丈夫?」
テツ「先生、しっかりしてくれ!」
シュン「ん…大丈夫」
アシュダル「ググ…テツ…すまなかった…な」
ミオ「…とりあえず…研究所に戻りましょう」
テツ「そうだな…歩けるかお前ら?」
ショウ「なんとか」
カイ「大丈夫…」
テツ「なら、行くぞ」