〜三人目の出逢い2〜
にらまれた男子生徒達は、一瞬で怯えてしまったようだ。何故だろうか?別に何もした覚えはないはずなのに。
「まぁ、いいか……」
「どうした?憑かれたか。」
谷田貝の声が聞こえたような気がした、気のせいだったか。まぁ、あいつはお化けが苦手なのに、オカルト研究会なんてのに入ってるらしいから、気にする必要がないんだがな。
「それより松木会長は、なんだってこんな俺を選んだですか?他にもましなやつは、居るだろうに。それとも冗談ですか?」
「違うわ。君が一番適任なのよ。私の補助役としては。」
俺は、補助役の意味を知らなかったので、谷田貝達に聞いてみると、皆、驚いた顔をしていた。
「お前、そんなことも知らずに、この学校にきたのか!?この学校、いや、ここらへんの地域では、有名な役職だぞ!!」
「そうですよ!!役職的には社長の秘書みたいなものですけど、報酬が凄いんですから。例えば、生徒会長との一ヶ月間のヨーロッパ旅行だったり、学園から豪邸が支給されたりと、大変凄いことなんですよ!!」
「ふーん…大変そうだな。」
まぁ、豪邸だけは、興味があるかな。そういうことなら参加みようか。
「あっ…なんか興味があるっぽいね、それと、参加する場合には、何かひとつお願いを訊いてあげるよ。ちなみに、報酬は桐家さんのいった通りだけど、それとおまけにご褒美もあげるよ。」
「こ…これは、前代未聞だ、今までにもないことだぞ!!湊」
「そうなのか?そういうことなら参加しますよ。暇ですし。」
「やったわ、これで少しは負担が減る。」
「それでお願いなんですけど……」
「あぁ、それだったわね、何にする?何でも良いわよ。付き合うとか、結婚するとか、同棲するとか。」
「ちょっとなんてこと言うんですか。というか、全部プライベート事じゃないですか。」
「良いじゃない♪せっかくのお願いなんだから、そういうことぐらい、それとも霧依君を好きに使うのに無理な理由でもあるの?」
「……ないです。」
「あのそろそろ良いですか。」
「えぇ、良いわよ。」
「それで、今ここにいる人達を全員生徒会に入れてもらいたいんです!!」
どうやら、皆驚いてしまったみたいだ。
「ほんとに、そういうのでいいの?自分で言うのもなんだけど、私、美人だしモテモテなのよ?」
「そうだぜ…わざわざせっかくのお願いなのにもったいないぜ。」
「だからさ。松木会長と一緒に居られるのも、今年が最後なんだろう?だったら、ここにいる皆で楽しい思い出をつくって会長を送ってやろうと思っただけだよ。」
皆、納得したような顔をして、口々に、ものを言う。
「そりゃ、いいな…卒業後会える可能性がでてくるわけだからな。」そう言うと、皆も似たような感想らしく、ウンウンとうなずいて笑っていた。会長はというと、嬉しそうにはにかんで、
「そんなことでいいなら、喜んでお受けします。」
と、今までで一番の笑顔で浮かべながら言っていた。うん。この笑顔がみれただけでも、このお願いを伝えた甲斐があった。
何故か思ったようには、何日重ねても続きが出てこないので、ここで完結といたします。
今後は、短編を中心にやってみようとおもうます。