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第2話 命を狙って救われて

毎度です。

展開が早いなぁ~、と思う私。

さてはて、これからどうなるのかな?

side 『ないとめあ』


「ただいま・・・」


ジェーヴァチカ星人であるうるうは地球で殺すターゲットである男性、『九重優』に命を助けてもらい、宇宙のどこかにある未確認飛行物体、彼女や彼女の組織『ないとめあ』が名付けたノアに帰還した。


「あら、お帰りなさい。ザドキエル」


『ないとめあ』のリーダーである女性は、他の五人のメンバーとトランプで遊んでいた。地球を侵略するというのに、のほほんとしている侵略達だ。


「お帰りーっ」「どうだったー?」


子供のような無邪気に声を出すフードで顔を隠す、『ないとめあ』のメンバー。彼女達曰く、姿を隠しているのカッコイイだからそうだ。ちなみに、全員は全員の正体を分かっているという意味のなさ。


「あ、あのね・・・ターゲットに命を救われたの」


『ええっ?!!』


潤の報告を聞いたメンバーは、驚きの声を上げる。それもその筈、いくもの惑星を侵略したジェーヴアチカ星人にとっては初めての事。


「そ、それで?ターゲットは殺さなかったの?」


リーダーは首を傾げ、説明をもっと要求。


「は、はい。そ、それですね・・・ターゲットにギュッて抱きしめられて、私の胸の所がドキドキして・・・それにきゅぅ~って握りしめられるような苦しさを感じました」


潤は、実際に九重優に抱きしめられて女としての幸せを感じてしまったというのだが、ジェーヴァチカ星人は女性しか存在しない。異性という存在は知らないも当然なのだ。


「そ、その症状、どこかで聞いたことがあるわ。ある惑星の言い伝えだけど、女性は男性という種族に恋という病にかかってしまったら、女性は強くなるって聞いたわ」


「え?胸の所が苦しくなっているのに?」


リーダーによる説明を聞いた潤だが、釈然としない説明だったらしい。病だし、身体のどこかに異常をきたすかもしれないと、不安になってしまったのだ。


「うーん、詳しい事は分からないけど・・・でも、強くなる事は確からしいなのよ。だから、一旦ニンゲンを殺すという計画を白紙にして、恋という病を研究しましょう。きっと侵略に使えるかもだし、何よりも私達が強くなれるからねっ!」


『さんせーいっ』


リーダーの案は、満場一致で、可決された。こうして九重優の優しさによって地球の平和は一旦守られたのであった。


「それでは、恋を知ろう作戦開始っ!あ、そうそう、ザドキエルには、ターゲットが通っているという高校っていう所に行ってもらうわ。私達が高校に通うのに必要な事とか、何とかするから、心配しないで?」


「は、はいっ」


「それと、ターゲットの家に寝泊まりして欲しいの。ずっとターゲットの近くにいたら、恋という病が知れると思うから。何となく直感だけど、何もしないよりはマシでしょ?」


ザドキエル・・・つまり潤はコクコクと頷いて納得するが、どこか嬉しそうな表情をしていた。顔はニヤけていて、顔を赤らませていた。自分が恋という病を知らずに、楽しんでいた。


「じゃあ今日から行動開始ね。恋に関する事が分かったらすぐに報告を入れるようにっ!それと症状とかその他もろもろ、何でもいいので報告は一日一回するように!」


「は、はいっ。では、行ってきますっ」


『行ってらっしゃ~い』


メンバーに見送ってもらい、『どこでも行けるくん』を使用して、九重優の自宅前へとワープしたのであったーー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

side 九重 優


オレは、やっと我が家へと帰宅する事に成功した。


いやいや、今日はとんでもない日だったなぁ~とのほほんとして、我が家のリビングにあるソファーに座り、身体を休める。


今日は、濱田さんに告白して、フラれて、フラれたショックで部活サボって、小石に八つ当たりで蹴って、その小石が黒いロングコートを着た謎の女の子の靴に当たって、それにムカついたのか、その女の子はオレに死んでだの殺すだのと危ない発言をオレは耳にして・・・


「はぁ・・・」


もう溜め息を吐くしかない。だって、その女の子は自分は宇宙人だと言い放ち、地球を侵略するとか言い出すのだからな。


「あれ?優?どうしたの?部活は?」


オレがソファーでくつろいでいると、我が妹である、九重ここのえ有希ゆきがセーラー服で登場。手には学生鞄がある。


有希はオレの一つ下の中学三年生の妹で、髪は腰に届く程に長くて綺麗な黒色で、しかも顔が整っていて、スタイルはスラッとしていて、胸以外はよろしい。おっと、胸の事は内緒だぞ?有希は胸が小さいけど、器は大きいんだぞ?


「あぁ・・・ちょっと具合が悪くてな」


「え?風邪でも引いたの?」


有希は鞄を放り投げ、オレの隣に座り、オレのデコに手を当てて、熱を計る。お察しの通り、オレと有希は仲良し兄妹なのだ。たまに有希はスネたり、ケンカするのだが、すぐに仲直り出来るのだ。


「あれ?熱ないね。腹痛なの?」


「ん~・・・腹痛でもないな。でも日常を過ごすのには支障はないから、大丈夫だ」


「そっか。でも、念の為、今日一日は安静しててね?それじゃ、私着替えてくるね~」


有希はそれだけを伝え、リビングから姿を消した。あ、そうそう、オレの家は二階建てで、一階のフロアにはリビングやキッチン、和室が備わっていて一日のほとんどはそこでのんびり過ごしている。


二階のフロアには、オレや有希の部屋、そして父親の仕事場の部屋だ。


それから、家族構成も伝えよう。専業主婦の母親に有名な小説家だと豪語している父親にオレと有希の四人家族で、のほほんと平和に過ごしていたのだ。


「はぁ・・・」


もう一度溜め息を吐いた。すると、父親がリビングから登場し、オレと向かい合うようにソファーに座る。


「おう、何か疲れているな。根性が足りんぞっ」


四十代後半の父親だ。スマートな身体つきで黒縁のメガネをかけて、無精ひげを生やしている体育会系なノリを持っている父親だ。


「うん。根性で何とかするさ」


「おうっ!その気合いだっ!わははっ」


父親は笑い、リビングから消えた。何をやりに来たのか知らないが、若干心が落ち着いた。フラれた事と命を狙われた事をオレの脳内の隅に追いやる事に成功した。ありがとよ、父親よ。


しばらくソファーに座ってダラダラしていると、ピンポーンという来客を知らせる我が家のインターホンが鳴り響き、四十代前半の母親が玄関へと向かっていった。ちなみに、母親は結構美人で若々しい肌を持ち合わせていてとても四十代とは見えないと近所のおばさんが言っているのを聞いた。それに、スタイルも若い頃とほぼ変わらないというのだ。


そんな両親をありがたいという感謝を抱きつつ、リビングにあるテレビのスイッチを付けて、適当なテレビ番組を見ていると・・・


「優~。勉強教えて~」


ピンク一色の可愛らしい私服姿へと変貌した有希が勉強道具を持ち、オレに勉強を教えろと言うのだが・・・さっきのやりとりを忘れたのか?


「はぁ・・・まぁいいや。どれよ?」


「わぁいっ。じゃあね~・・・ここっ」


オレは仕方なく勉強を教えてやる事にして、丁寧に教えてやった。有希はニヤニヤしていて、頭を時折頷けさせ、理解していると表現していたのだが・・・理解しているならニヤニヤしてても関係ないのだがな。


有希に勉強を教えていたら、母親が血相を変えて突然リビングに現れた。


「た、大変よっ、優!お、お、お友達よっ!お友達が遊びに来たわよ!」


友達が来たというのだ。だが、たかが友達ぐらいで大騒ぎするのだろうか?たまに桐島を我が家に招き入れるし、その桐島が有希に恋したり、オレをお兄さんと呼んだり・・・その時は桐島を睨んでお兄さんと呼ぶのは止めろと警告したという面白可笑しく過ごしていたのだが・・・


「桐島か?なら通せよ・・・まさか、あの野郎、また有希の事狙ってんじゃねぇよな」


「あははっ。優、目が怖いよぉ。桐島さんって面白い人じゃない」


オレはいつの間にか怒っていたようだ。あ、それとな・・・


「アイツの事は、アホと呼べ。アイツはアホだのバカだのと言われたら幸せを感じるそうだ」


「か、考えておくよ~」


とりあえず、桐島をアホと呼んで欲しいと有希に頼む事に成功。これらの計画を知ったあの桐島アホはこうツッコミを入れるだろう・・・


『変な事を有希ちゃんに吹き込まないでっ!』


こんな感じだな。


「ち、違うのっ!お、お、女の子なの!優に合わせてほしいだって」


どうやら客は女性らしい。だが、オレに用があるのか?誰だ?ま、まさか、濱田さんか?しかし、濱田さんはオレの家を知らない筈・・・いや、何らかの方法で調べるのは可能だ。それとも・・・いや、実際に出たら分かるか。


「うん。行くよ」


「わ、私も行くっ」


オレと来客が気になるご様子の有希と共に、玄関の扉を開き、その人物の姿が見えた。その人物とはーーーーー。

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