最終回 これから
申し訳ありませんが、これにてこの作品を完結いたします。
次回作を執筆中でありますが、まだどんな物語にするかを考えている途中でございます。
投稿するのが遅くなると思いますが、しばらくお待ちくださいませ。
次回作の作品の情報については、活動報告にて報告したいと思いますので、またしばらくお付き合いくださいませ。
side 九重優
休日なのでリビングにてオレはダラダラと過ごしていると・・
「ねぇ、優。ちょっと着いてきて」
潤は真剣な表情でオレを手招きしてオレと共にどこかへと行きたいらしく、オレは断る理由もないので、重い腰を上げて、潤と共に潤の部屋へ向かっていった。
「で?なんだ?何か不安な事があるのか?」
オレはまだ真剣な表情を浮かべている潤に質問するが・・潤は部屋の鍵をかけて、部屋の窓も鍵を閉めて、カーテンを閉めて、密室の部屋となった。
「?」
潤の様子がいつもよりおかしいので、疑問符が頭上に現れ、首を傾げるしかないオレ。
「私が宇宙人だって事を証明するよ」
潤は携帯を取り出し、オレの手を掴み、携帯をいじる。一体、何なんだ?宇宙人だという証明が携帯をいじる事なのか?だとしたら、携帯持っているヤツ全員が宇宙人ではないのか?
「なぁ、なにして・・?!!!」
オレは潤に語りかけようとしたが、異変が起きた。オレと潤は我が家の二階にある潤専用の部屋に居たのだが、何故か誰もいない会議室っぽい所に居た・・・なんだ?夢なのか?
「いらっしゃい、九重優。待っていたわ」
突然、フード付きの黒いロングコートを着たグラマーな女性がオレの目の前に現れた。
「なっ・・?!」
オレは数歩後ずさりして、驚きを隠せないでいる。どうなっているんだ?一体、ここはどこなんだ?こいつは誰なんだ?
疑問が疑問を呼び、思考回路がショート。
「あ、優さぁん!来てくれましたか!待っていましたよーっ!」
今度は自称殺し屋ことキラが突然現れた。キラは弾ける笑顔で手をパタパタと動かして、オレを招き入れているらしい。
だが、その前に色んな質問をさせてほしい。
「あ、ああ・・って、ここはどこだ?オレは家にいたんだが、いつの間にここにいてだな・・」
キラと謎の女性は首を傾げて、何言ってんだ?こいつと言いたげな表情を浮かべていた。だから、何がどうなってんだよ!
「私から説明するわ。あなたとザドキエルは『どこでも行けるくん』でここにワープしたの。あ、ザドキエルは夕崎潤の事ね」
必要最低限の説明を受けるオレ。ワープしただと?どうやって?それに、『どこでも行けるくん』?なんだそれ?ザドキエルって何だ?潤の事だと言っていたが、どういう事なのだ?
「あらら、信じてないみたいね。いいわ、証拠を見せてあげる。私、あなたの目の前にいるわよね?それを、あなたから三メートル離れた所に一瞬でワープするわ。見てて」
オレは今の状況に追いついていないが、謎の女性は潤が使っていた携帯をいじり、しばらくすると、謎の女性は目の前から消えて、オレからほぼ三メートル離れた所に立っていた。
「な!!?」
訳が分からず、とりあえず声を上げるしかない。どうやってワープしたんだ?何故だ?
「え、えと、ミカエルさん?大丈夫なんですか?アイテムをニンゲンに見せて・・・」
「いいのよ。見せても再現は不可能だしね。地球の科学力は私達の科学力に足下にも及ばないから」
潤とキラと謎の女性は驚きもしないで淡々と雑談している・・・ま、まさか、これはドッキリなのか?しかし、潤がそんな事をする筈もないし、する理由もない筈・・・
「あ~・・・その、なんだ、本当にお前らは宇宙人なのか?」
とりあえず、宇宙人なのかを彼女らに聞く。
「「「うんっ」」」
三人は同時に頷き、自分は宇宙人だと言う・・・しかし、見た目は日本人そのものなのに、それを信じろってか?
でも、地球では開発されていないワープ装置を所持しているので、信じるしかないのだ。
「はぁ・・分かったよ。で?その宇宙人が何のようだ?侵略か?」
「そうだったけど、あなたとザドキエルとの出会いで恋という病を研究しているの」
ザドキエル・・・つまり潤の事か。確かに、最初はオレを殺すだの地球を侵略するだのと言ってきたが、最近はそんな事は言わないし、冗談かと思って普通に流していたのだが・・・
「ここで取引したいわ。私達は地球を侵略しません。その代わり、恋を教えて欲しいの」
「恋?」
謎の女性は恋が知りたいというのだが、どうしてオレなのだ?いや、オレでもいいのだが、何故知りたいのだろうか?
「恋をしたら女性は強くなる事を聞いて、私達はザドキエルやビトクを地球へ送り、調査しているわけ」
「ビトク・・・?」
初めて聞く名に疑問の声をあげる。だが、キラも宇宙人らしいので、キラの本名はビトクという事だろう。
「優さんは、いつも通り私の事は、キラと呼んでくださいねっ!」
「むぅ!ズルいっ!優!私の事は、潤ねっ!」
キラはいつも通りに呼んでほしいと言ってきたのだが、潤はそれに便乗して普段通りに呼んでほしいと頬を膨らませていた。お前らは子供か。
「へいへい、分かったよ。キラ、潤」
オレは成す術もなく、彼女達の願いを叶え、なんとなく悔しい気持ちを持ってしまったが、気にしないでくれ。
「で?返事はどうなの?」
おっと、謎の女性との取り引きがまだ済んでなかったな。待ちわびて退屈そうな顔をしていた。はぁ、仕方ないなぁ。
「オーケーだ。恋を教えればいいんだな?」
「ええ、そうよ。あ、その前に、皆を呼ぶわ」
「まだ宇宙人がいるのか・・・」
謎の女性はコートの中を探り、黄色いホイッスルを取り出し、チェリー色の薄い口で加え、大きく音を鳴らす。
ピィィィ!という音が響き、数秒後、謎の女性のように黒いロングコートで身を隠している女の子達がクラッカーを持った五人が現れた。
そして、その近くに謎の女性と潤が近づき、横一列に並ぶ。
キラはラジカセをいつの間にか持っていて、再生ボタンを押し、彼女達の近くに置き、戦隊ヒーローが登場するようなBGMを流し、そそくさとその場から立ち去り、オレの横に立っていた。
「ミカエル!」
「ザドキエル!」
「ガブリエル!」
「ラファエル!」
「ウリエル!」
「ハニエル!」
「メタトロン!」
それぞれが自己紹介。そして、ミカエルという人物がリーダーだからなのか、口を開き
「七人揃って、ないとめあ参上!」
クラッカーを持った五人はヒモを引き、クラッカーを鳴らし、壮大感を感じさせるが・・・いきなり自己紹介されても、一辺には覚えきれないぞ・・・そして、潤よ、ノリノリじゃねぇか。
キラはラジカセの停止ボタンを押し、BGMを止めて、自己紹介を終えた彼女達は、はいタッチで喜びを分かち合っていた・・・一体、何がしたかったんだろうか?
「ご、ご丁寧にどうも。オレは九重優、よろしく、な?」
オレも自己紹介する事にした。しかし、返しとして、これで良かったのだろうか?
「それで、恋ってなにかしら?九重優、答えなさい」
「あ、ああ・・」
オレは落ち着くために一旦深呼吸し、なんとか今の状況を飲み込んで、ヤツらの暴走に慣れつつ、恋とは何かを言うのだが・・・オレなんかが言ってもいいのだろうか?
だが、言うしかない。地球が侵略されるかもしれないしな・・・
「恋とは、人間が他人に対して抱く情緒的で親密な関係を希求する感情だ。これでいいか? 」
恋の意味を教えたのだが、辞典的な事しかいえない。だが、これはこれで正解な筈・・・
「な、なるほどっ!よぉく分かりましたっ!」
ミカエルという宇宙人は納得したのか、驚いた表情を浮かべ、嬉しそうに頭をうなづけさせる。
「これでいいか?約束通りにお前たちは地球を侵略するなよ?」
これで地球の平和は救われた。たかだか恋を教えただけなのに、地球を救う事ってすごくないか?オレはヒーローになれたのだろうか?
「ええ、でも・・・もっと面白そうなモノがありそうから私達はもっと地球の事を調べるわ。いいわよね?九重優」
「お、おう、好きにしろ」
「あと、このノアとザドキエルの部屋にあるクローゼットとの通路を繋げたわ。いつでもこちらへ遊びに来てちょうだい」
「・・・?」
どういう事だろうか?オレは首を傾げるしかない訳だ。
「後ろを向いてちょうだい。そこに入り口があるでしょう?」
オレはミカエルの言うとおり後ろを向き、確かに入り口らしきものがある。引き戸のような扉があるのだが、これがどうしたのだろう?
「そこを開けてちょうだい。」
オレは引き戸を開き、中を覗くと、見覚えのある潤の部屋があった。
「見ての通りよ。こちらの部屋とザドキエルの部屋が繋がっているの」
淡々と喋るミカエル・・・コノヤロウ、なんてことするんだよ!もし、家族の誰かやその他の人物が見たらどう説明するんだよ!
フォローが得意なオレでもこればかりは説明するのは不可能だろう・・・
「一応、言っておくけどあなた以外のニンゲン二は普通のクローゼットにしか見えないようにしたから、心配しないでね」
どんな理屈でそうなっているのか知らないが、心配しないで済むな。
「もう用事はないけど、何か相談があればいつでもどうぞ」
ミカエルはニッコリと笑い、手を振る。それに乗じて、キラやその他の人物も手を振り、別れを告げる。
「潤、帰るぞ」
「う、うんっ」
オレと潤は入り口へと向かい、『ないとめあ』と名乗る侵略宇宙人の目の前から姿を消したのであった。
さて、これからこの宇宙人である潤とどんな暮らしをするのだろうか?そして、『ないとめあ』の狙いは何なのだろうか?これは神のみぞ知る物語となる事をオレはまだ知らなかったーーー『インベーターの恋愛作戦。』ー完ーー。




