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俺はチート能力で日本を救う(仮)  作者: オーレリア解放同盟
第二部 第二次極東戦争編
22/29

#21 海聖VS鈴花-中編-

「はぁ!!」


海聖の右腕から放たれた砲弾は重力に逆らわずまっすぐ進んでいった。


狙いは目の前の少女。


李鈴花。クラスメイト。海聖の友達。


そして海聖の敵。


「無駄な足掻きよ」


砲弾は0.00秒の世界で鈴花に直撃する筈。それが常識であり、この地球と言う惑星の中の原理である。しかし、その常識も地球の原理も、物理法則全てを塗り替えた事が起こった。


海聖の後方で燃え広がる建物。しかし、これは海聖達が破壊したものではない。


星霜学園強襲と共に進んだSTOによる大侵攻。これにより星霜学園周辺の街は戦闘によって焼け野原と化している。


そんな焼け野原の中、大国間同士の戦闘を無視し続け、自分達でアクション映画の長編が何作も作れそうなほどの激しい戦闘をする海聖と鈴花。


「またか・・・」


これで48回目。麻酔針の事を入れれば49回目だ。


海聖の鈴花に対する遠距離攻撃が跳ね返された回数だ。


「だから言ったでしょ?私にあなたの攻撃は効かない。そして、私の周りの世界でこの世界の常識と、物理法則は通用しないわ」


「ちっ」


舌打ちをする海聖の頭の中ではスーパーコンピューターがフル活動中である。


スーパーコンピューターに脳みそを変えたのは麻酔針対策からだ。


コンピューターに麻酔など効かない。そして何より調べないといけない事がある。


勿論鈴花の能力についてである。彼が知る能力の中でこんな能力は聞いた事がない。彼自身、能力者育成施設にいた能力者たちの能力はすべて知っている。その中の一欠片にも当てはまらないのだ。


(俺の放った弾が鈴花にあたる寸前で逆方向へと向かって行く・・・どういうことだ?反射という説もあるが・・・俺の知る反射は目に見える範囲で、認識できないものは反射をする事が出来なかった)


「あらあら?理解できないのかしら?」


(遠距離が無理なら・・・白兵戦で挑もう)


海聖は右腕の速射砲を変身させ、軍刀へと変える。それと同時に背中から翼を生やす。


「これが噂の神の翼か・・・こんなものを見せられれば神として疑わないわね」


「何を言っているのかわからないが・・・」


迷うことはない。鈴花は友達。でも綾菜を傷つけると言うなら容赦はしない。


「もらった!!」


海聖は一気にスピードを上げ鈴花の腹へと軍刀で切り込みを入れた。


その感覚。サクッと。確実に切れた。


その感覚は確信へと変わる。鈴花を倒したと。


だが・・


「かはっ!!」


空を舞っていた海聖が突如として墜落する。表現の仕方を変えれば堕天使とでもいえよう。


一種の皮肉ではあるが・・・


「げほ!!げほ!!・・・はぁ、はぁ・・」


海聖は口から噴き出した血を見る。そして腹部からの痛み。


まるで刀傷のような。


「ど、どうなっているんだ?」


能力の副作用で身体を修復する。


(この傷の位置。あきらか俺が鈴花を切った位置だ・・・)


何をしたのかさっぱり理解できない。


“私の周りの世界にこの世界の常識は通用しない”

“物理法則も通用しない”


俺の繰り出した攻撃はすべて俺の元へと帰ってくる。相手に起こるはずの現象が、すべて俺に起こったことになっている。


(そういうことか?・・・・いや、でも確証はない。確かめる方法もない)


「あなたの取る方法は一つよ。私の言う事を素直に聞くか、私と戦って力尽きるまで再生能力を使い果たして殺されるか・・・あなたが星霜学園に行くことはあり得ないわ」


「くっ!!」


一か八か試してみるしかない。俺の予想が正しければ、俺の攻撃は成功する。


だが、これが成功しなければ奴の能力は他に候補がない。


「俺の取る選択は・・・」


「ほう・・・この二つから選択する気なのね」


「お前も助けて、星霜学園のみんなも助ける!!」


「はい?」


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