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俺はチート能力で日本を救う(仮)  作者: オーレリア解放同盟
第二部 第二次極東戦争編
21/29

#20 海聖VS鈴花-前編-

「ここは・・・」


「気がついたかしら?」


重い瞼を開け、うす暗い部屋の明かりですら少しまぶしく感じていた。

僅かな視界の端に写る少女の名は


「鈴花か・・・いてて」


「無理はしない方がいい。軽い神経毒とスタンガンで眠らされていただけだけど・・・それなりに後遺症が数時間残るから・・」


「そっか・・・どおりでさっきビリっと・・・・どういうことだ?」


「ごめんなさい。こうするしかなかったの。中国を救うため、この世界の未来を救うため・・・」


「・・・・・」


中国を救う?世界を救う?俺にスタンガンかけて神経毒を盛ったところで中国も世界も救われないのだが・・・


「意味がわからん。取りあえず学校へ帰してくれ」


「それはできないわ。それにもう遅い」


海聖の願いをためらいもせずきっぱりと断る鈴花。

彼女の眼は本気の目だ。いつでも戦闘態勢にとれるような仕草と、戦う戦士の目。


「何をわけのわかんねえ事を」


「もう星霜学園はSTO軍に強襲されているわ」


「どういうことだ!!」


「そのまんまよ。エンジェル対策本部“ルシファー”は容赦ない。あなたを脅すため綾菜を捕獲しに行ったのよ」


「なんだと!!」


海聖は頭に血が上り、そしてもうダッシュで進もうとする道を遮る鈴花。


「もし、これ以上進むなら実力行使させてもらうわ」


「実力行使・・・・ぷっ・・・」


「わ、笑ったな!!」


顔を赤めてものすごい勢いで悔しがる鈴花。その姿がさらに面白く海聖は瞬く間に苦笑いから爆笑へと移っていく。


「お、お前・・・ほ、ホントに俺に勝てる、と思って?」


「ええ。あなたはまだ覚醒していない状態のメタモルフォーゼ。神としての実力は100分の一にも満たない」


その言葉を聞いて余裕だった海聖の顔は凛々しくなった。それと同時に湧き上がる殺気。


「なぜ・・・“メタモルフォーゼ”という言葉を・・・」


「あら?別の世界からくるなら未来からくるってのも悪くはないと思うけど・・・」


「成程」


そう言うと覚悟を決めた海聖は右腕を物騒な物へと変える。


全てが金属でつくられ、直径5~6cmはあろうかという穴。さらに海聖がつくる物だ。相当物騒なものに違いない。ただの砲ではなく・・・電磁投射砲レベルの・・・


「鈴花・・・そこをどけ!!これが最終通告だ」


「どかないわ」


「!!」


これだけ物騒な物を向けても怯まない鈴花。むしろ余裕の顔さえしている。

それがどかないという度胸に感心するとかよりもむしろ恐怖を感じた。


海聖自体、何も知らない敵ならば下手したら粒子砲レベルの物で敵をふっ飛ばしかねないが鈴花は海聖の男女合わせた友達の中でもかなり親しい友達だ。殺すわけにはいかない。


つまり形だけ脅しで、中身は0.2~3mm程度の麻酔針だ。


(しかたがない。眠らせるか・・・)


そう。眠らせるだけ。そう考えていた海聖だった。


“シュン”


風を切るその音。


時間にして僅か0.1秒もない


―――――その刹那


“シュン”


「いっ!!」


「どうしたのかしら?」


海聖は何が起こったのかわからないまま痛い耳を触れる。


手についていた物。それは赤色の液体。血液だ。

その瞬間海聖は身体が重くなる。


「麻酔針とはね・・・・私もなめられたものだわ」


目がくらむ中、おぼろげに鈴花を見上げる。


「どういうことだ?」


俺はあいつの首筋向けて麻酔針を放った。


それが方向を変えて俺に向かってきた。


「私と戦うならもっと本気で来なさいよ。そうでないと」


「そうでないと・・・」


「死ぬわよ。海聖」




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