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俺はチート能力で日本を救う(仮)  作者: オーレリア解放同盟
第二部 第二次極東戦争編
20/29

#19 海聖捕獲

「お兄様・・・これでいいかしら?」


「ああ。よくやった。これで俺達の未来は変わるだろう」


殺風景の部屋で話す二人の横に縛られて転がっているのは核海聖。

この日本を救うため別次元の日本から送られてきた超能力者。

そして・・・


「あの独立交易水上都市の神様にこんなことしていいか知らないけど・・・」


「かまわんさ。俺達の世界が変われば神様ではない。それだけだ」


二人の顔はそれなりに満足げな顔をしていた。だが、それでも鈴花の顔だけは何処か浮かない顔をしていたのは間違いなかった。


(たしかに・・・私たちの世界。未来のため。でも、きっとこの人は世界を変える大切な人。いいのか・・・)


そんな事を考えている鈴花の隣では携帯を手に誰かと会話をしている鈴花のお兄様こと李震煉リシェンリャン


「そろそろか・・・」


「なにがです?」


「な~に・・・そろそろ攻撃が開始されるから」


「どこにですか?」


震煉からの返答はさほど時間がかからなかった。でも、鈴花にとっての体感時間はかなりの長さに感じられた。


息をのむ。わずか数秒。


「星霜学園に」


震煉はためらわずに、何もないように答えた。


「!!」


その刹那―――――


鈴花は戦慄を感じた。


親しくしてくれた人たちに、恩をあだで返すようなことはしたくない。

だから、今までためらっていた海聖の捕獲を緊急決行してそれを防いだ。


海聖を捕獲できなかったら学校の生徒達を餌にして呼び寄せるつもりだったのだ。

でも海聖は捕獲した。だから星霜学園強襲などあり得ない。そう思っていたのに・・


「なぜです!?」


「こいつは人間から神になった男だ。ちょっとやそっとで言う事を聞くと思っていたのか?」


「そ、それは・・・」


「それともこいつと親しくなったから言うことでも聞いてくれるとでも思ったか?」


「・・・・学校の生徒たちは関係ありません」


「関係なくともこいつを脅しかけるには十分だ」


「・・・」


何も言い返す事が出来ない。どちらかとるかを悩んだ末に人的被害の少ない海聖の捕獲を選んだのに・・・結局海聖を苦しめ、綾菜を、そしてクラスのみんなを・・・学校のみんなを苦しめることになった。


「そこでそいつを監視していろ。俺は星霜学園に向かう。赤薙綾菜とか言ったな?そいつを人質にすれば・・・くっくっく」


不気味な高笑いをして震煉は外に出て行った。


「ごめん・・・・みんな・・・」


兄には逆らえない。能力で戦っても勝てない。でも、それでも、みんなを守りたかった。


初めは日本人なんてみんな死んでしまえなんて思っていたけど・・・日本の歴史に書かれている事なんて嘘だと思った。実際みんな明るくて、素直で、歴史についてはよくよく調べると自分達の知る歴史の方が嘘が多かったのだが・・・


「どうすればいいの・・・海聖・・・」


傍に縛られて横たわる海聖に抱きついて鈴花は一人泣いていた。


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