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俺はチート能力で日本を救う(仮)  作者: オーレリア解放同盟
第二部 第二次極東戦争編
17/29

#16 東京陥落

4月6日

高校二年生になろうとしていた海聖と綾菜。彼らはまだ知らなかった。


――――――トウキョウ陥落

その一報が日本中を駆け巡った。北日本ではトウキョウ再奪還となっている。


突如として現れたNATOコードネーム“デストロイア”はNATOとSTOとの戦場にSTO側の味方として現れ、連敗続きだったSTOの流れを一挙に勝ちへと変えた。


「まずいわね・・・・」


ここは東海方面軍司令部。多次元日本救済計画本部は新たに近場へと緊急に移された。


敵の大侵攻と破壊者デストロイアの出現を予知した萌仁香によってNATO軍は東京を捨て大撤退をし被害ゼロで済んだ。もし戦っていたとなれば東京周辺を防衛していた関東方面軍は全滅していただろう。


「・・・予想外の事態ですね。どうしますか?」


「なにがよ?」


宮下の質問にイライラを隠せずにこたえる萌仁香。


「海聖君の事です」


「・・・・使うかもしれないわね。最後は・・・」


「そうですか・・・」


「あくまで最終手段と言うことだけど・・・」


最終手段・・・追いつめられた時の最後のあがきで使う手。

どのような事態になった時にその最終手段を使うかとは、聞けない宮下だった。






「鈴花・・・残念だったな」


「すいません・・・お兄様」


殺風景の部屋で語り合う二人。一人は李鈴花。もう一人は彼女の兄。


「確かに・・・神とまで呼ばれ、崇拝されるまでになった男をそう簡単に捕まえようとしたこと自体が間違いだった。ならば・・・俺の手で消し去ってやる」


「ま、待ってくださいお兄様!!」


電話越しで慌てふためく鈴花。


「なんだ?」


「わ、私にもう一度チャンスを!!次こそは、確実に・・・・」


「・・・・次は無い。もう我々は星霜学園を強襲する事が決定した。もし、クラスメイト達を犠牲にしたくなければその前に核海聖を確保する事だな」


「・・・・」


鈴花は何一言も言えなかった。でも、解った事だけなら少しある。


私にはまだチャンスがある。







「・・・・海聖」


「ん?」


パジャマ姿で俺を上から睨みつけるのはこの家の主人赤薙綾菜。


「これ・・・どういうことよ!!」


机の上にたたき落とされた新聞を見る。


「なになに・・・・トウキョウ陥落?4月1日は5日前だぞ?」


4月1日。通称エイプリルフール。日本語訳4月バカ。


「嘘じゃないわよ!!」


「ん?」


寝起きの顔で新聞を凝視する海聖。朝刊の隣に書かれた日付には4月6日付けと記されている。


「どういうことだ?」


「私が聞きたいくらいよ!!」


「俺に言われてもな・・・俺が任されているのは現在進行形綾菜の護衛だけだからな。連絡も小学生からあまり来ないし・・・」


“避難所”の一件以外、なにも連絡が来ない。

愛想を尽かされたのだろうか?




「へ、へっくしょん!!」


「以外と大雑把なくしゃみするんですね」


またこいつか・・・


心の中でそう思ってしまったのは月見里萌仁香。多次元日本救済計画の実質的なリーダーで、特務部隊の指揮官。隊長は宮下亮哉。


またこいつか・・・のこいつは言うまでもなく特務部隊隊長宮下亮哉。


くしゃみに大雑把も繊細もくそもないでしょ!!


「悪い!?」


「い、いや・・・べつに・・」


「今日は一段と機嫌が悪いのよ!!話しかけないで」


萌仁香の今日の機嫌はいつにもまして悪いようだ。


それもそのはず・・・


「ち、因みに聞きますけど、こ、この書類は・・・?」


宮下亮哉は触れてはいけない、いや、踏んではいけない地雷を踏んだようだ。


「始・末・書・に・決まってんでしょうが!!!!!!!」


東海方面軍司令部地下“多次元日本救済計画臨時本部”では萌仁香の怒号が、司令部全体に伝わるほどの音量で響いていた。



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