連載第0回: 5%の現実から覗く深淵
本編に入る前に、少しだけ今の「科学の立ち位置」についてお話しさせてください。
21世紀に入り、人類の宇宙に対する知識は劇的に進化しました。そして、その進化の結果、私たちはある「恐ろしいほど美しい事実」にぶつかってしまったのです。
宇宙の「年齢」と「正体」がわかった
138億年。(138億歳)
これが、私たちの住む宇宙が生まれてから今日までの年齢です。宇宙から届くかすかな光の残骸(宇宙背景放射)を分析することで、私たちは宇宙の誕生日を正確に割り出せるようになりました。
しかし、本当に驚くべきはその「中身」でした。
私たちは「5%」の少数派だった
理科の教科書に載っている「元素周期表」を覚えていますか? 水素、ヘリウム、...酸素、鉄、金……。この宇宙のすべては、それらの「物質」でできていると私たちは信じてきました。
(私は、高校生の時それが宇宙の全てだと教わりました)
ところが、最新の観測が突きつけたのは、あまりにも意外なデータでした。
私たちが知っている物質(原子など):たったの4.6%
正体不明の暗黒物質:約27%
宇宙を広げ続ける暗黒エネルギー(ダークエネルギー):約68%
つまり、私たちが「これが世界だ」と思って見て、触れて、感じているものは、宇宙全体のわずか5%にも満たない「おまけ」のようなものに過ぎなかったのです。
残りの95%以上は、今の科学でも正体がはっきりとはわからない「何か」でできています。




