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解説

 ルネ・マグリットは近代芸術のシュルレアリスムの巨匠として知られています。その中で特に有名な作品は本文中に登場した『ゴルコンダ』や空と海の中に鳥のシルエットが浮かぶ『大家族』、空中に浮いた巨大な岩石の上に建つ『ピレネーの城』などがあります。学生時代に教科書で見た事があるという人もいると思います。

 その他にも本文中で『人の子』という絵画が登場しています。

 人の子に映るスーツの男はマグリット本人だと言われています。顔の前には青林檎が置かれ、素顔は誰にも分かりません。ここにも哲学めいたメッセージが垣間見えます。

『他者からでないと自己を認識することはできない』

 きっとそのようなメッセージが込められているのでしょう。店主も客の違いに気がつけなかった自分自身を認識するために『青林檎のシブースト』を男に食べさせたのだと思います。

 また、私はミステリージャンルに片足を踏み込んだような人間ドラマとして、作品を執筆しております。本文中には黒帽子の男が三回登場しますが、そのどれもが別人で実は兄弟というオチでした。

 一番上の兄が野球ボールを紛失してしまったということに始まる兄弟喧嘩に全員悩んでいる描写が目立ちました。ここにも全員別人であることを仄めかす描写をしています。

 一言で言えば『金遣いの相違』です。一人目は七二〇円ちょうどの金額で支払いを済ませ、二人目は一万円札で払っていました。また三人目は千円札で釣り銭を受け取っていましたね。

 さて、兄弟喧嘩の発端はサイン入りのボールがどこかに行ってしまったことです。

 そのボールはどこへ消えてしまったのでしょうか?

 ゴミ箱の裏でしょうか、ベッドの下にでも転がったのでしょうか。それとも家のどこを探しても残っていないのでしょうか。

 答えは兄弟それぞれの金遣いから考察してください。奇しくもアドバイスは的確なものとなっております。

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