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3/11

去勢去勢去勢去勢去勢去勢。

最悪だ、最悪すぎる。

厄日の後は風邪を引き体調が悪い状態で朝を迎えた。

私は彼のスマホを使い虐めた相手の特定を始めた。

その数日後...


死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね


蝉の目覚ましが相変わらずうるさい。

『来週にはお前達が死んでるくせに』


昨日雨で濡れたままだったせいか風邪を引いた。

『クソが...』


身体がうまく動かないので代わりに出来る事を探そうと遺品整理がてら彼のスマホでSNSを見る。

『コイツらか...ちっ、捨て垢もあんのかょ』


愚痴をこぼしつつも誹謗中傷したアカウントの過去ログから1人づつ特定していった。


◆1人目HN:aka虎.

趣味:サッカー 備考:酒カスヤニカス女好き.自己中。


数日後、サッカー好きなaka虎のファンを装いオフ会に誘うとあっさり会えた。

『aka虎っす、やべっお姉さん超可愛いっすね笑』


今すぐにでも殺してやろうという殺気を抑えつつ

天城由乃あまぎよしのです、初めまして』


上機嫌のaka虎は会うなりタバコをふかしながら呑みに誘ってきた。

『お酒いける?とりま呑み行こ‼︎割り勘で笑』


(相手が女だと分かるとガバガバだな、下半身で物考えてんだろ)

心の声が漏れぬよう口に手を当て作り笑い。

『行きましょうか』


近場の適当な居酒屋に案内された。

『俺さ鳥貴好きなんだよねぇ〜。生とぼんじり、もも、砂肝も塩で食うのがうめぇんだよぉ〜、やっぱ漢は塩っしょ〜っ』クチャx2。


(男は自分語りが好きな奴が多いな...)

心の声が漏れぬよう口に手を当て(以下略。


食欲を満たした後は性欲も満たそうと満面の笑みで擦り寄ってきた。

『ねね、ホテル行こホテルっ‼︎由乃ちゃんあんまり喋らないね?恥ずかしがり屋でしょ?大丈夫だよ俺優しくすっから笑』


(あぁ、去勢してやりてぇ...)

私は無言でついていった、ただどうやって殺すかだけを考えて。


『ふぃぃサッパリしたぁ...由乃ちゃんもシャワー浴びておいでよ‼︎それとも一緒に入るぅ??笑』

シャワーから出たaka虎がベッドで大の字になって寝転んだ。


『楽しい事しよっか...』

事前に用意していた結束バンドでaka虎の両手足をベッドに縛りつけた。


『お?由乃ちゃんそういうの好きなカンジ?ノリノリだね〜笑』


うすら笑みを浮かべ

『あぁそうだよ、お前を殺すのにノリノリだよ』


この現状をaka虎はまだ理解できずにいた。

『は?俺そういうプレイ萎えるんだけど。早く生でしようよ生、気持ち良いよ??』


私は無言のままaka虎の口をタオルで塞ぎ肉用ハサミを取り出し...























✂︎----------------------------------

去勢した。


















『‼︎っっつっっゔぅぉ"ぉ"ぅ""ぁ"っ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎』

酒で赤かったaka虎の顔色が真っ青になり

うめき声をあげながらベッドをきしませた。


『汚ない喘ぎ声ね...』

ゴミを見る目で見下し、切り落とした生ゴミを躊躇なく踏み潰した。


『渚君の受けた痛みはもっと痛いと思うの。なんで彼を虐めたの?』

ぐったりしたaka虎の口に詰めていたタオルを外し質問をした。


『なぎさ?...........あああああああぁあぁぁあ"ぁ"ぁ"

アイツのツレかお前ッ‼︎‼︎』

『どうして...こんな事になるなんて思ってなかったんだよッあれは酒で酔った勢いだから仕方ないんだよ‼︎てか言葉遣いも気にくわねぇし挙句SNSで自分の女大切にしてますアピールとかうぜぇし舐めた態度してんだよアイツっ、不快にさせられた俺は被害者だッ‼︎』


本人はきっと本気でそう思って話しているのだろう、

だが私には焦りながら適当な言い訳や御託を並べているようにしか映らなかった。


『酒のせいにするな、お前の本性が露呈しただけだろうが』

下手な命乞いより滑稽に映る姿を見て苛立ちを隠せなくなっていた。


『俺の事情だってあんだょ‼︎俺の気持ちも汲んでくれよっ‼︎たかがそんな事くらいで死ぬ方がおかしいだろ‼︎』


『そんな事くらいで死ぬ人間もいるんだよ、他人の気持ちも汲めない奴がどの口で言ってんだ?あの世で詫びてこいよ‼︎‼︎』

私は再度aka虎の口にタオルをねじ込み、

忍ばせていた剣鉈を左胸に突き刺したッ‼︎


体重をかけて奥深くまで深く深く、深く...。


『ぅ"ッうぁ""ぅ"ぅ"ぉ"....ッ............................... 』

バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタッ

ギシギシギシギシギシギシギシギシギシギシギ....。

aka虎は死ぬまでベッドをきしませていた。


『良かったじゃない行きたい場所で逝けて...』


あれから何分、何十分経っただろうか。

私は動かなくなった生ゴミを眺めていた。


...死んだのは分かっている。

なのに刺した剣鉈から手が離せなかった。

手を離すと生き返りそうで、

まだ生きてるんじゃないかと不安で。


リーンリーンリーンリーンリーンリーンリーン...。

そんな時に鳴いた鈴虫の声は子守唄に聴こえた。


ほんの少しだけ安心した私は刺した剣鉈を握りしめたまま眠りについた。


『今日は良く眠れそう...』


『去勢ってそんなに痛いモノなのかしら』

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