厄日
復讐を考えるも一人では限界を悟っていた私は義理の母親に頼ろうとするも...
死ーね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね...。
蝉まで誹謗中傷してるように聞こえる。
『先に死ぬのは君達なんだけどね』
復讐を誓ったものの一人では限界があるのを悟っていた私は義理の母に相談しに行ったが私の顔を見るなり眉間にシワを寄せていた。
『帰っとくれ‼︎久々に来る身内なんて金の工面か厄介事しか持ってこないからね‼︎』
文字通り門前払いをくらい自分の甘さを痛感する。
『まぁ、都合良すぎるか』
夕立雨宿り、一人濡れたまま寂れたバス停で立ち尽くす。
『捨て猫はこんな気分なのかしら』
ぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶー‼︎
豚が目の前を通り鳴き散らかしていた。
ずぶ濡れのまま聴かされる雨音と豚声の不協和音。
『最悪なコンサートね』
後から来た豚飼いのおじさんが申し訳なさそうに会釈した。
『へへっ、すみませんね急に雨降ってきちまったもんで』
無言を貫く私を気にもせず頼んでもないのに話し出す。
『おねぇちゃんお話しするのは嫌いかぃ?』
渋々一言。
『...人間が嫌いなだけよ』
おじさんは満面の笑みで語った。
『そうかぃ?周りを見ず己の欲を満たす為だけに動く様は餌に群がる豚のようで愛おしいよ
まぁ、食用で利用価値があるぶん豚のが優秀だけどね』
プシューーーーーーーーーーーーーーーッ。
『あなたも豚なのね』
無駄に語りかけてくる豚に捨て台詞を吐きバスで帰路につく。
『これだから田舎は...』
『濡れた豚より焼いた豚の方が好きよ』