灰の味は苦く
ありふれたSNSの誹謗中傷で最愛の人を失った彼女は復讐を決意した、その果てにあるものは。
※読むと胸糞が悪くなるだけなので健全な方は読むのをお控え下さい。
SNSの誹謗中傷が原因で彼が亡くなって3ヶ月、
『私より大きかった身体が今ではこんなに小さくなってしまって...』
私は骨壷をそっと抱きしめた。
その日、胸にぽっかりと空いた穴を埋めるように彼の遺骨を砕いて飲んだ。
それだけで私は彼とひとつになれた気がした。
『桜は1年に1回しか咲かないから僕達がこの桜の花を見る機会もあと50か60回しか見れないと思うと時間を大切にしないとだね』
そう話してくれた彼は翌日亡くなった。
『...もう一緒に桜見れないね』
いつも私の頬に触れてくれた温かい手は冷たかった。
のちに判明した彼へのSNS誹謗中傷。
『なんで彼がこういう目に合わないといけないの』
『何故、私に一言でも相談をしてくれなかったの』
『どうしてこんな事に...』
一緒に何かできなかったのだろうかという後悔、苦悩が入り混じる中で吐き捨てるように言葉を並べた。
そして小さくなった彼に優しく語りかけた。
『言えない程辛い目にあったんだね』
『ごめんね、一緒に悩んだり考えてあげれなくて...』
(...バツンッ)
腹の底から針金が切れるような音がした。
おもむろに立ち上がり私は独り言を呟いた。
『あなたを虐めた子、殺してくるね』
返事をするかのようにひぐらしが鳴いた。
どんなものであれ一線を越えないよう線引きは大切ですね。