無能力異世界転移は海外旅行だった。 第0話
完結にあたって、全話の細々とした場所を修正中です。
主に改行や句読点を修正しています。
内容自体は変化していません。
「木津川アキラよ」
頭の中に声が聞こえる。
目の前は白く、何も見えていないのと大差ない。
「いきなりで申し訳ないですが、あなたは違う世界を平和にする人間として選ばれた。
いくつかの能力を向上するので、違う世界を生きるのです。
ただし、時が来るまで能力は隠し続けて普通に暮らしなさい。
そうすれば、賢いあなたならば元の世界へ帰ることができるでしょう。
では、帰るときの報酬を決めておきましょう。
3つ好きなことを選びなさい。
具体的ではなくてもいいです」
唐突に言われても、急すぎる。
ここで俺は口を開けるようになった。
とりあえず夢かもしれないし適当でいいか。
「時間がありませんので手短に」
「じゃあ彼女、いや嫁が欲しい」
「今の世界に決まった人がいますか? これから行く世界のですか?」
どうしようか?
「日本へ連れて帰れるなら異世界の人で」
「いいでしょう」
あとは、そうだな、
「金、それと幸福」
「ざっくりですね、でもいいでしょう」
とりあえず俺はこれから異世界へ飛ばされるらしい。
まあいい、ゲームの世界のようなのには憧れていた。
しかし、能力が使えないのは不便そうだな。
「どういう能力があるのか俺にはわかるのか?」
「あなたが何もせず、順調にいけば、少し後で手に入る、あなたの能力が示されたカードの1より少しでも高い数値、それは常人のそれではありません。細かなところは日常生活でも体感できるでしょう」
普通に生活していてわかるくらいには強化されるということらしい。
「この後、私はすぐに消えるでしょう。ですが、あなたの未来には影響ありません。
頼みましたよ、木津川アキラ」
その声が終わると共に俺は目が覚めた。
(了)
無能力異世界転移は海外旅行だった。を最後までお読みいただきありがとうございました。
タイトル詐欺じゃねーか!と言われるかもしれませんが、アキラが無能力とは一言も書いてはいないはずです。
アキラと女神の策略通りに皆さんの目も欺くことができましたでしょうか?
また、この話のテーマは始まりの街から出ずに魔王と戦うにはどうしたらいいか、これを1番に考えて書いていました。
さて拙作は私の人生初めて書いた小説になります。
この話を執筆するにあたって、裏ではいくつかの目標を決めていました。
1つめ、3か月で10万字程度を目途にちゃんと完結させる。
2つめ、適当な異世界転生物に歯向かう内容、あえて異世界転移でキチンと帰る。
3つめ、主要な登場人物には見せ場を作る。
これらを初めて書く小説の目標にしていました。
まだまだ未熟者ゆえに間違いも多くあったと思いますが、話の雰囲気だけでも伝わってくれていれば幸いです。
これをもちまして一応の完結とさせていただきます。
本当にありがとうございました!




