串焼き屋5。
「あれ? 早いんじゃない?」
ちょうど魔法協会の中に入ると受付でアイフェが何か話していた。
「もうできたから、すぐに印刷してもらえるかな?」
インクとか紙を渡す。
「うん。じゃあこれを印刷してもらえる? 何枚いるの?」
「50枚で」
「はい、中銅貨6枚ですね。全部で大銅貨2枚と中銅貨6枚です」
アイフェは俺が渡したそのままを受付に全部渡す。
あ、アイフェの取り分ないのか。
てっきり1割くらい手間賃が入ってるのかと思っていたが。
今度昼飯でも奢ってあげよう。
「この時間からだと・・・・・・明日の昼にはできてると思います」
「じゃあアタシが受け取ってお昼に渡すよ。どうせお昼食べにそっち行くし」
それならちょうどいいな。
「ふうん、串焼き屋の宣伝ね。アタシもこういうのやってみようかな」
「アイフェさんは講義に遅れないのを頑張ってください」
「ちぇっ、みんな真面目なんだから。あーあ、こんなんなら時計いらないよねぇ」
一般市民より魔法で時計が使える分時間に厳しいらしい。
遅刻はしない性分だったが、異世界へ来てからだいぶルーズになった気がする。
礼を言って魔法協会から帰る。
夜、フマルに酒を奢った。
まさか1杯中銅貨3枚もするのは予想外だったが、恩人への礼は怠るべきではないし、言ってしまったプライドもある。
ここ数日でずいぶん金使ったなぁ。
翌日、アイフェから印刷されたチラシを受け取って、昼飯を奢る。
特に拒否されることもなく普通のランチにしてくれた。
アイフェはもっと欲張ってもいいのにな。
ギルドに戻ってフマルに1枚チラシを張ってもらう。
「この辺でいいですかね?」
カウンターの前のよく見える位置に画びょうで張ってくれた。
「勝手に貼って大丈夫ですかね?」
「まあラベン様に何か言われたら剥がしますよ」
「あとは・・・・・・他の場所、ここら辺の地区の店とか役所に頼めば貼ってくれるますかね?」
「流石に飲食店は避けたほうがいいと思いますけど、概ね許可してくれると思いますよ」
俺が頼みに行っていいのか?
よく考えたら立場的にやっていいのか怪しい気がするが。
「いいんじゃないですか? 勇者様御用達ならそれだけ話題になりそうですし」
店が面倒なことにならなければいいか。




