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串焼き屋4。

「はい、お待ちどう」

「ありがとう、支払いはここで?」

「刷り終わったら全部まとめてちょうだい」


 羽ペンにインク壺に入ったインク、異世界では今まで見たことのないようなすべすべの黄土色の紙を渡される。


「これに何を書けばいいんですか?」

「ダンの串焼き、肉串小銅貨2枚、野菜串小銅貨1枚、場所は西門と南西門の間って感じですかね」

「ちょっと普通の紙に下書きしますね」


 ちゃちゃっと下書きを出してくれる。

 よくゲームで見る依頼書のレイアウトまんまだ。

 店の名前、場所、中身、値段、過不足は無い。

 派手さは皆無だし目を引かないが色を付けられなさそうだし仕方ないか。


「えっと、下のほうに小さい地図とか書けますか? あと具の大きさをアピールして欲しいです」

「はい・・・・・・・・・・・・・こんな感じでどうでしょう?」


 大きな具という1文と、門の間にあるのが分かるように左下に小さな地図を書いてくれる。


「あ、たぶん昼しかやってないので営業は夜の鐘までというのも追加で」

「わかりました」


 一応下書きっぽいものは完成した。

 とりあえずこれをいろんな場所に貼ってもらって、残りは口コミってところだろう。


「ありがとうございます。それで清書してもらえますか」

「はい。なんか緊張しますね」


 言われればこれに大銅貨2枚使ってるんだよな。

 飯にすれば一月分くらい分だ。

 でも1発勝負だからフマルの腕を信じるしかない。

 出来上がるのを見守る。


「できましたよ。特に失敗はない、と思います」

「助かりました。夜は店で一番高いお酒を驕りますね」


 今までお世話になっている分も込めてそう言っておく。

 虹色に光る変わったインクで書かれていた。

 インクはしっかり染みておらず少し浮いているように見えて面白い感じだ。


「へー、印刷前のやつってこんな感じなんだ」


 フマルもしげしげと眺めている。


「今、一番高いお酒飲ませてくれるって聞こえたんですけど」

「はい、仕事してもらいましたから」

「これ1枚でそんなにお金が入る予定とかなんですか?」

「正直わかりませんが、他に思いつかないので。フマルさんへの報酬も」

「アキラ様の直感が正しいといいですね。お酒も貰えるなんて、私としてはうれしい限りです」


 フマルに笑顔でそう返される。

 本当に成功するといいのだが。

 ずいぶん早く完成したのでもう魔法協会へ持っていくとするか。

 部屋へ戻って金を持って、カバンへインクとかを入れて持っていく。

 もう普通に道を覚えたので魔法協会まで迷わず向かえる。

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