雪の日は暇2。
「街のことは大体わかりました、あと気になったことは獣の耳や尻尾とかが生えた人とかですかね」
食酒所とか行き交う人に異世界特有と思われる人達がいたから気になっていた。
「それは獣人と呼ばれる方々ですね、人とほとんど変わりないですよ。身体能力は彼らのほうが高くて、その代わりにほんの若干寿命が短いというのが普通です。手の形状が変わっている方とかは字を書くのも難しい場合があります」
「獣人には身体能力を生かした冒険者の方も多くいます、この世界ではありふれた種族ですね」
「種族ということは他にもいろいろな種族がいるんですか?」
「はい、ただ人間側の種族よりも魔物側に味方をする種族のほうが多いくらいです。しかし数では人間と獣人が大多数で何とかなっています」
ゲームでいうところの素性が人間、獣人は人間側、他は魔物側と捉えていいのだろうか。
「耳が長いエルフとか背の低いドワーフのような種族とかっていたりしますか?」
「ええ、耳が長い種族、背の低い種族の方もいますよ。ですが見た目は人に近い彼らも魔物側であることが大多数です。どういう経緯なのか、それを私は知りませんが彼らは人間側と敵対しています」
やはり多数派閥の人間に爪弾きにされて敵対したとかなのだろうか?
ぱっとみていてほかに気になったことがあった。
「そのカウンターのところにあるのはカレンダーですか?」
「そうですよ、アキラ様のところにはありませんでしたか?」
「いえ。0月というのがなかったので気になりました」
カレンダーは日めくりカレンダーのようだった。が、今月は0月らしい
日付は27日になっているが。
「0月から9月の10か月で1年になっています、この世界は大体10で区切れるような単位になっていることが多いですね。日付は30日で1か月です」
一月が少し短いことになっているようだ。
「例年、雪が多い0月ですが2月までには晴れるようになってきますよ」
まだしばらく雪らしい。
魔法があっても天気ばかりはどうにもならないようだ。
「あとは・・・・・・フマルさんって歳はいくつなんですか? 俺のことを様を付けて呼んでくれているから年下っぽいのはわかりますけど」
「私の歳ですか? 28歳です。ちなみにマレインも同じ歳ですよ」
若く見えたのはそのせいか。
逆に歳を食っているように見られるのは当然か。
俺の世界基準と1年につき約65日差がある。
65×28日分若いので1500日以上くらい、おおむね20歳ちょっとということか?
寿命が同じとするならそんなものか。
「こちらからも聞きたいです。アキラ様はここにくる前はどんな仕事をしていたのですか? 武器を使ったことがない、というのなら冒険者とかではないでしょう?」
「ここにくるときは無職でしたよ、前は探偵の助手というのをやっていましたが」
「あ、あまり話題にしないほうがよかったですか?」
「事実なので偽るつもりもないですし平気ですよ」
この世界にくる前に無職だったのは事実だ。
だからなおのこと呼ばれた理由がわからなかった。