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夕食へ 2。

「この世界では領土も魔物から攻め込まれて防衛することが大半で、逆に攻めるのは勇者様などが魔物に侵略された地を取り返すのが基本です。ただ・・・・・・一部の人間は魔物の味方をする場合があって、その時は人同士でも争いになる場合がありますね」


 魔物は敵、それはゲームと変わらないようだ。

 人は普通ならば結束しているらしい。

 現代も共通の敵が現れれば協力して戦うのだろうか? この世界と同じで正直怪しいと思う。

 すいとんっぽい団子を掬って口に入れてみる。鳥の出汁とトマト味っぽい。洋風すいとんだ。


「そうなんですか。ちなみに俺のいた世界には魔物と同様に魔法というものは存在しなかったのですけど」

「アイフェちゃんと会った時にそう言ってましたね。魔法がない、というのも私たちには信じられないですけど」

「その代わりなのか、技術の進歩がこの世界と比べても遥かに進んでいました」

「ホントに信じられませんね」


 一通り食べ終わった。

 食事時ともあって店が混雑してきたようだ。

 そこそこ長く話したし、もう出たほうがいいかもしれない。

 フマルも食べ終わってワインも飲み終わっていた。


「混んできているし、もう出ましょうか?」

「そうですね、また話しましょう」


 木札を取って会計しようとしたら、フマルに手で制された。


「今夜は私が出します。一人でお酒に付き合ってもらったんですから」

「気にしなくていいといったのですけど」

「いいんです。これからお金が必要になることも多いと思いますよ? だからここは奢られてください」


 そこまで言われたらお言葉に甘えよう。


「わかりました。次はしっかり自分の分は自分で払います」

「はい。そうしてください」


 お酒が入って上機嫌のフマルはそのまま会計を済ませる。

 店を出る。


「家まで送りましょうか?」

「平気ですよ、帰り道は明るい通りだけですし。そもそもアキラ様がついてきても一人で帰れないでしょう?」


 言われてみればその通りだ。

 そして通りもいつの間にか街灯がついている。

 火はついていないが明るい。


「この灯りも魔石ですか?」

「そうですよ。夜になったら順次、魔法協会の人達がつけてくれるんです」


 魔法の便利さを痛感する。

 電気や火がなくてもほとんどのことは魔法でできるようだ。


「それじゃあ、また」

「はい、また明日ですね。私は基本ギルドで受付をしているので。この時期は特に暇ですし話相手になってください」


 フマルと別れて寮の部屋へ戻る。

 街灯の灯りだけで十分な明かりだ。

 部屋の前に木の桶があり、中には服がたたんで入れてあった。

 マレインがやってくれたのだろう。

 2つ隣の部屋をノックしてみたが返事がない、留守のようだ。

 礼は会ったときに言おう。


 俺は部屋に戻り、桶ごと服を中に入れてベッドの横に置いた。

 窓から入る明かりで部屋はちゃんと明るい、ランタンとかも必要ないかもしれない。

 首から下げていた布袋に冒険者カードを入れておく。

 これで身分証を携帯できている。

 能力を聞かれてもこれを出せばいいだろう。

 今日もいろいろあったなと思いつつ、眠りについた。

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