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おまけ#16

 その知らせが届いたのは失踪から一週間が経ったある日のことだった。

 彼女の友人からの着信に慌てて授業を抜け出すと、相手は混乱した様子でその知らせを伝えてくれた。


 ミドリが保護された。


 その言葉を聞いたミドリは荷物を放り出したまま、場所も聞かずに飛び出していった。




「駄目か……。……生きててよかった」


 到着したものの面会拒否だった。仕方なくそこにいたミドリの友人に話を聞くことにした。




 その日、ミユキとカスミという名のミドリの友人は、とある組織の調査を行っていた。

 その組織はミドリを攫った組織であり、二人は警戒虚しく捕まってしまった。


 気づけば生贄として、磔にされたミドリの前に並べられていた。

 隙を見て反撃するが、シキサイの通じない相手に戸惑いを隠せない。


 窮地に陥ったところでミドリが反応し、その能力で危機を脱したという。




 結局、ミドリが意識を取り戻したのは保護されてから数日が経った頃だった。

 目を覚ましたミドリは誰の声にも反応を示さなくなっていた。


 シミラを名乗ってはいるが、半分は人間だ。無理もないだろう。


 そう、ミドリが帰ってきてから、ミドリは自分もシミラであることを自覚していた。

 まだ自覚したばかりであるためか、ミドリの声しか聞こえないが、それで十分だと思っている。

 その声は微かにしか聞こえないが、助けを求めているようだった。




 それから考えて、いつもミドリがしているように、音楽で心を呼び戻そうという結論を得た。

 ミドリの友人たちの協力の下、一本の短い動画を作り始めることになった。




 ミドリが退院し、下宿先へ帰った後、ようやく完成した動画を見せることになった。

 ユカリはグループへ「作戦開始」とメッセージを送ると、アルバムを開き、ミドリにスマホの画面を見せた。


「ねえ、ミドリ。これ、見てもらってもいいかな?」




 動画が終わり、ユカリはふとミドリの顔を見た。


 ミドリは声もなく泣いていた。


 決して感動させるつもりで作ったわけではない。

 意図せず泣かせてしまったことに罪悪感を感じながらも、ユカリは「作戦成功」とメッセージを送った。




 それから数日後、メンバーのほぼ全員が廃研究所に集まっていた。


「皆様にはご迷惑とご心配を――」

「ささみ」

「……ただいま」


 こうして、この事件は幕を下ろしたのだった。

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