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おまけ#09

 冬休みに入り、しばらく経ったころ、冬の合同ライブが開催されることとなった。

 あれから、文化祭やサークル内ライブといった場数を踏み、いい具合に慣れてきたところだ。


 先輩の勧めで組んだバンドも、この半年ですっかり息が合うようになった。

 主に元合唱部、特にアグリを中心としてこのバンドは成り立っている。


 これでも一応一年目なので、今回は全員、このバンドを除いて一バンドしか参加していない。

 それを提案したのはアイカだったか。来年以降は一体何バンド組むつもりなのだろうか。


「一応一回は合わせときたいけど」

「休憩にやるか」

「えー、休みたい」

「では開演前にしましょうか」

「そうだね」

「じゃあ、また」


 朝から練習してきたので、この後は基本的に別行動となる。

 それぞれ所属が異なるので状況は読めないが、手が空いたら集まりたいところだ。




 やることが終わり、手持ち無沙汰になったユカリは玄関ホールにいたユウカとアイカと合流した。ユウカとは部活が同じだったのでそれなりに話せるが、アイカとは直接関わりがあるわけでもないため気まずい。

 それからしばらくしてミドリがやってきたので軽く合わせることにした。




 ようやく出番が近づき、舞台横に並んで準備をする。

 各々、所属する別のバンドの衣装との兼ね合いで統一感があるのかないのかはっきりしない服装をしているが、自分の色のブレスレットを着けて仲間らしさは出している。


「はじめまして」


 舞台に立ち、簡単に挨拶をする。


 ノゾミの合図で曲が始まった。

 みんなで選んだ曲を、みんなで作った楽譜で歌う。

 ああ、やっぱり、音楽っていいな。

 同じ秘密を抱える友人たちと肩を並べ、アグリは心から実感した。




「また、やろうよ」


 ライブが終わり、駅へと向かう道中、アグリがそんな提案をした。


 楽しかったでしょ?と問いかけるアグリに、その場の誰も反対することはない。

 楽しかったと言うような性格ではなくても、何かしら思うことはあったらしい。


 それ以上何も言うことはなく、六人は駅へと向かうのだった。

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