おまけ#05
夏の終わり、アグリは山川市にあるコミュニティセンターを訪れていた。
今日は他大学との合同ライブだ。この夏はずっとこのために練習してきた。
アグリもノゾミも二曲ずつ参加しており、その内一曲で共演している。
準備をするために控え室に荷物を置きに行くと、思いがけない再会をした。
「えっ!?なんでミドリがここに!?」
「そんなに驚かないでくれませんか?」
「久しぶり……でもないか。こないだぶり」
「大変だったみたいだね。怪我はもう大丈夫?」
出会ったのはミドリとユカリ。
二人も進学先でアカペラを始めていたようだ。
ミドリに関してはつい先日の騒動で会いはしたが、そんな話ができるほど落ち着いてはなかった。
準備が終わり、暇つぶしついでに二人と話すことにした。
二人を探しに廊下に出ると、別の知り合いに出くわした。
「アイカ?」
「……アグリ。それにキミも。二人もいたんだ」
そこにいたのはアイカとユウカだった。
いくら地元とはいえ、こんなに知り合いに会うとは思っていなかったので驚いた。
「アグリちゃん、ミドリちゃんには会った?アイカもいるし、勢揃いだね」
「さっき会ったよ。……もしかして他にも?」
「さすがにもういないよ」
「それもそうか」
あの日共に闘った仲間が六人も一か所に集まっているのは運命を感じる。
地元だから確率は高いとはいえ、示し合わせたわけでもなく(ミドリとユカリ、アイカとユウカはそれぞれ通じている可能性は高いが)同じサークルに入っていたのは偶然と片付けるには出来過ぎている。
そうこうしているうちに本番が始まった。
やっぱり先輩は上手いし、他のサークルの演奏は新鮮に感じる。
似た格好をしたり同じものを身につけたりすると一体感がでていいよな、と参加している二バンドの衣装を組み合わせた自分の姿を見て思った。
うまく歌えているのか自信はない。間違えているわけではなくても、これが正解だと言うには何かが足りない気がする。
まだ半年も経っていないからだろうか。そんなことを考えていた。
ライブが終わり、解散した後、入口で話をしていると先輩が声をかけてきた。
「みんな知り合いなん?」
「はい。高校の同級生です」
「せっかくだし、バンドやってみたら?」
その言葉をきっかけに六人はバンドを組むことになる。
のだが、今は――
「この後時間あったらご飯でもどう?」
「賛成」
「でもまだ早くない?」
「じゃあ、その前にカラオケ行かない?」
「予定より増えましたね」
「とりあえず駅まで行こ」
六人は目的地に向かうために、まずは駅へと向かっていった。




