表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/100

#68

 教室から出てわかったことだが、アグリの顔に付いた液体はペンキのように赤い。

 さらに、匂いを嗅いでみても、特に鉄のようなにおいはしない。


 どうやら血液ではなさそうだ。とアグリへの疑念を取り払った。

 では何か、と言われてもピンとは来ないが。




 他の教室にもいない残りの四人を探して中庭に出ると、職員室の辺りに人影を見た。

 何かの手がかりになるかもしれない、と静かに近づいてみると、そこからも異様な気配を感じた。

 職員室も影響を受けているらしい。


 それなら好都合か。

 そう思って他の場所を見に行こうとしたとき、誰かと鉢合わせた。


 とっさの悲鳴を抑え、距離をとる。

 そうして改めて見てみると、そこには、こちらを不思議そうに見るミユキとカスミがいた。




 しばらくして落ち着いてから、それぞれが得てきた情報を交換する。

 二人はあちこち見回りながら歩いていたが、通行人は見なかったという。


「アイカちゃんも?」

「うん。ユウカちゃんも見てないよ」


 どうやら、謎を解く前にあの姉妹を探さなくてはならないらしい。


「二手に別れよう」

「じゃあ、あの時計で二時にここで」

「了解」


 そうしてそれぞれ別々の方向に向かっていった。




「もうお昼か」


 ふと、思いついたようにルカがそんなことを言った。

 確かに少し空腹感があるような気がする。


「弁当は……持ってきてないね」

「学食は開いてないし」

「学校だから、非常食とかはありそうだけど」


 この際、脱出については後回しで、教師含む全員に起きてもらいたいところだが、目覚めたら目覚めたで厄介なことになりそうでならない。


「そういえば、この鏡ってなんだったんだろうな」

「確かに。これはこれで不気味……」


 いつぞやにユウカが巻き込まれた鏡はいつものように正面の様子を映している。


「……ねえ、三枝。本当に誰もいないの?」

「人の姿はありません」


 いつの間にか復活していたミドリが言うのなら、間違いないだろう。




 四人は踊り場を通り抜け、建物を一通り見てまわった。

 本当に誰もいないようなので、別の建物も見に行ったが、そちらも特に変わりない。


 中庭に戻り、時計を見ると、もうすぐ約束の時間だ。

 最後に食堂を確認し、別れた場所へ戻った。




 もう一つのグループが戻ってきたのはそこの時計がきっかり二時を指したときだった。

 そちらは無事に見つかったらしく、アイカとユウカも一緒だ。


 どうやら体育館にいたらしい。

 理由は聞いても教えてはくれなかったが、アグリは何も見ていないようだ。


 一通り情報を交換し終え、一旦解散することになった。

 要は休憩だ。


 荷物は全員教室にあるというので、そこまでは皆で戻っていく。

 ……F組以外の教室はどこもとんでもないことになっているが、大丈夫なのだろうか。


 教室に入る前、アグリが声をかけた。


「ミドリちゃん。アイカちゃん。荷物持ったら、一緒に来てくれる?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ